寒河江弘

寒河江弘（さがえ ひろし）

1966年12月13日 - 2019年10月26日。日本のフィギュア造形作家であり、大阪芸術大学短期大学部の教授も務めた寒河江弘は、その独創的な才能で様々なメディアに足跡を残しました。大阪府出身。

略歴・人物

大阪芸術大学で彫塑を専攻後、造型家の三枝徹に師事し、模型製作の技術を習得。1991年に原型師としてデビューを果たします。初期には各社のガレージキット原型を手掛け、フィギュア造型工房ヘビーゲイジを経て、1993年に活動の拠点を東京に移しました。

上京後は、特撮映画の美術スタッフとして、戦隊シリーズや『ガメラ』シリーズ、『ウルトラマンティガ』などの作品に参加。また、造型スタッフとしては、『TOKYO FIST』、『ゴジラvsデストロイア』、『モスラ』といった作品でミニチュア模型や造型物を担当しました。その才能は映画美術にも及び、『アナザヘヴン』（2000年）、『さくや妖怪伝』（2000年）では特撮美術を、『阿修羅城の瞳』（2005年）ではミニチュアスーパーバイザーを務めました。

映画美術への参加をきっかけに、俳優など映画関係者のフィギュア原型制作も手掛けるようになり、綾瀬はるか、南野陽子、山田優、吉本多香美、藤井隆、加藤夏希など、多くのタレントフィギュア原型を制作しました。

1999年には、『TVチャンピオン』の「プロモデラー選手権」に出場し、決勝ラウンドに進出。2006年には「フィギュア王選手権」で優勝し、初代フィギュア王の称号を獲得しました。

2019年10月26日、大腸がんのため逝去。享年52歳。闘病中であったことは、本人のTwitterアカウントや、死去前日に発行された『月刊ホビージャパン』2019年12月号の連載コラム「君よ 粘土の河を渉れ!」最終回で、がん性腹膜炎を発症し療養中であることが明かされていました。

主な作品

フィギュア原型

海洋堂
特撮リボルテック『バットマン』
『ウルトラマンティガ』 レナ隊員（吉本多香美）
藤井隆アクションフィギュア・ナンダカンダVer．
デジタルガレージキット 『カメラを止めるな!』 トレーディングフィギュア
マックスファクトリー
figma マイケル・ジャクソン スリラーver.
コトブキヤ
ARTFX J 『遊☆戯☆王』 城之内克也
ARTFX J 『幽☆遊☆白書』 桑原和真
バンダイ
お酌パラダイスシリーズ「釈お酌」（釈由美子）
『キューティーハニー』 スーパームービーフィギュアコレクション(佐藤江梨子)
PLATZ
新スタートレック ジャン＝リュック・ピカード
新スタートレック データ
新スタートレック ウォーフ
ケイダッシュ
南野陽子 芸能生活20周年記念フィギュア NANNO FIGURE
山田優 フィギュア3体セット Yu Yamada figure collection
ネイション
『僕の彼女はサイボーグ』（綾瀬はるか）
ポリストーンフィギュア2種類(サイボーグバージョン・コートバージョン)
マスコットフィギュアセット（3種類）
ストラップ3種類（チキン・お花・サイボーグ）
テレビ朝日
徹子のご利益ストラップ　（黒柳徹子）
「魔界転生」DVD特典フィギュア（窪塚洋介、佐藤浩市）
ジャコ・パストリアス ポリストーンフィギュア（キングインターナショナル）

映画美術・造形

『仮面ライダーJ』 特撮美術
『STACY』 劇中プロップフィギュア（佐伯日菜子）制作
『さくや妖怪伝』 特撮美術・「生き人形（吉田桂子）」制作
『アナザヘヴン』 特撮美術
『美しい夜、残酷な朝／box』 人形制作
『阿修羅城の瞳』 ミニチュアスーパーバイザー
『全然大丈夫』 劇中プロップフィギュア（荒川良々）制作
『TOKYO!／MERDE』 劇中プロップフィギュア（ドニ・ラヴァン）制作
『空気人形』 空気人形（ペ・ドゥナ）デザイン・原型制作
『長髪大怪獣ゲハラ』 人形制作
『ウルトラマンサーガ』 遊星ジュラン怪獣造型
『燃える仏像人間』
『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』 ミニチュア製作
『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』 ミニチュア製作

その他

加藤夏希（写真集「15KARAT」）
サザンオールスターズ（「サザンファンの勝手に25周年 真夏の秘宝館！」）
根岸崇一（映画『デトロイト・メタル・シティ』公開記念「GOTODMC展」）

ご当地怪獣

2014年より、脚本家の村井さだゆきらと共に、日本全国のご当地をモチーフとした怪獣を制作するプロジェクト「ご当地怪獣」を始動。寒河江は原案、デザイン、造形を担当しました。講談社グループの第一通信社が展開し、香川県のうどん怪獣「ウードン」、東京都のパンダ怪獣「パンダン」、大阪府のヒョウ柄おばちゃん怪獣「ヒョウガラヤン」など、各地の特色を活かした怪獣が誕生しました。新潟県魚沼市の火焔土器怪獣「ドキラ」、富山県南砺市のこきりこ節怪獣「デデレコデン」、高知県土佐清水市の清水サバ怪獣「サバサバラー」など、自治体とのタイアップも実現しています。

2015年には小説集『日本怪獣侵略伝〜ご当地怪獣異聞集〜』が出版、「ご当地怪獣総選挙」が開催。2016年には『都道府県がわかる ご当地怪獣大図鑑』が出版されました。寒河江はご当地怪獣の映画化を目指していましたが、実現には至りませんでした。

寒河江の死後、コンテンツの権利を保有する第一通信社の内野惣次郎（元子役）がプロジェクトを引き継ぎ、2021年からはフォーチュンエンターテイメントと提携し、『ご当地怪獣プロジェクト』を再始動させています。

テレビ出演

プレバト!! - 造形の専門家として、「粘土ランキング」に出演。
大人気店でドッキリ!ありえない商品 売れる!?売れない!? 第6弾（2014年1月9日放送）

外部リンク

サガエ・スタヂオ - 寒河江のHP
寒河江弘 (@sagaehiroshi) - X（旧Twitter）

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