寺ヶ池

寺ヶ池について

寺ヶ池は、大阪府河内長野市に位置する、江戸時代に築造された灌漑用のため池です。この池は、釣りは禁止されています。

春から夏にかけては、周辺の水田への灌漑のため、池の水量が減少しますが、冬になると石川からの用水路を通じて水が流入し、満水状態に戻ります。この水量の変化は、農業用水としての重要な役割を示しています。

概要・周辺

寺ヶ池は、河内長野市の北部に位置し、南海高野線千代田駅から南西へ徒歩約15分の場所にあります。池の管理は、寺ヶ池地区水利組合が行っています。

池の周辺は、北側が南貴望ヶ丘地区、東側が千代田台町地区、南側と西側が小山田町地区となっています。池の周囲には遊歩道が整備されており、周辺住民の散歩コースとして利用されています。また、近隣の小学校のマラソン大会のコースにもなっています。

北堤防

北堤防には、記念碑や灌漑用の水門を開閉する「ため池観測局」があります。また、池の水が溢れるのを防ぐための自動排水路も設置されています。周辺には住宅地が広がっており、広場やトレーニング遊具も設置されています。

以前は未舗装だった遊歩道は、1995年から1999年にかけて舗装され、花壇やベンチが整備されました。毎年8月1日には、教祖祭PL花火芸術を見ることができ、当日は多くの見物客で賑わいますが、駐車場や屋台は一切なく、公衆トイレも少し離れているため注意が必要です。

南堤防

南堤防は、北堤防に比べると特筆すべき点はありません。周囲には住宅と畑が広がっています。

用水路

寺ヶ池の水源は、池から約5.6km南西にある石川です。取水口には石碑が建てられており、そこから用水路が北東へと続き、寺ヶ池公園の菖蒲園付近で池に流入します。また、池の水は周辺の水田への灌漑の他、北東約1.3kmにある灰原池の水源にもなっています。北堤防には、これらの用水路が設置されています。

寺ヶ池公園

池の南側には、四季の広場と噴水が設置されています。東側には、庭球場、野球場、ゲートボール場、市営プールがあります。池の西側にある弁天山広場には、福神弁財天寺ヶ池鎮守があります。

歴史

寺ヶ池は、1633年から1649年の16年間をかけて、上原村の庄屋であった中村與次兵衛を中心に築造されました。新田開発のため、小山田村と市村の村境にあった小さな池を拡張して作られました。工事には延べ4万人が動員され、昼夜を問わず作業が行われました。一方で、築造に反対する農民もいました。

池の築造に伴い、膳所藩領であった市村の一部が、池の敷地の代替地として三好氏領の小山田村に譲渡されました。

1940年には、用水路が檜材からコンクリート樋管に改築されました。1966年には、堤防からの漏水をきっかけに改築工事が始まり、弁天山の土を使った堤防の補強や、水門の油圧式自動開閉化が行われました。この改築工事は1969年に完成しました。

年表

1633年：築造工事開始
1649年：寺ヶ池完成
1940年：用水路をコンクリート樋管に改築
1966年：池の改築工事開始
1968年12月：寺ヶ池取水塔完成
1969年：池の改築工事完成
1995年：遊歩道の整備開始
1999年：遊歩道の整備完成

関連項目

千代田
石川
滝畑ダム
寺ヶ池公園
* 灰原池

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