教祖祭PL花火芸術

教祖祭PL花火芸術とは

教祖祭PL花火芸術は、パーフェクトリバティー教団（PL教団）が主催する祭礼で、1953年から2019年まで毎年8月1日に大阪府富田林市の光丘カントリー倶楽部で開催されていました。この花火大会は、教団の教祖を讃え、その遺徳を偲ぶことを目的としており、世界平和を祈念する行事の一環として行われていました。

大規模な夏の風物詩

教祖祭PL花火芸術は、宗教行事でありながらも、その規模の大きさから地元では夏の風物詩として広く知られていました。開催日には、信者だけでなく多くの一般観客も訪れ、近鉄南大阪線では臨時ダイヤが運行され、交通規制も実施されるなど、地域全体が賑わいました。かつては有料観覧席も設けられ、多くの観客が壮大な花火を楽しんでいました。富田林市だけでなく、周辺の市町村からも花火を見ることができ、その人気は関西一円に及んでいました。

かつての盛況

2019年までは、一度も中止になることなく開催されてきました。教団のホームページには「天候により中止の場合もある」と記載されていましたが、過去には台風の中でも開催されたこともありました。特に、最後に打ち上げられる約8000発の「超大型スターマイン」は圧巻で、南河内一帯に轟音と光が広がり、その迫力は圧倒的でした。2017年にはウェザーニューズによる「行ってみたい花火大会ランキング」で7位にランクインするなど、その人気は非常に高かったことが伺えます。

文化的な影響

関西では「PL教団＝花火」というイメージが定着しており、落語家・桂米朝の落語や、画家・山下清の作品にも登場するなど、文化的な影響も少なくありませんでした。

歴史

この花火大会は、初代教祖・御木徳一の遺志を継ぎ、二代教祖・徳近が1953年に愛媛県松山市で初めて花火を打ち上げたことから始まりました。翌1954年からは、教団本部の移転に伴い、大阪府富田林市で行われるようになり、1963年には「PL花火芸術」と名称を定めました。当初は7月末から8月初旬に開催されていましたが、後に8月1日に固定されました。開催日が8月1日になった理由は、初代教祖の命日という説がありますが、実際は7月6日であり、統計的に雨の少ない日を選んだという説が有力です。以前は10万発以上の花火が打ち上げられていましたが、2008年からは数え方が変更され、純粋な丸玉の総数で1万〜2万発となりました。

規模の縮小と情報公開の中止

2010年代に入ると、花火大会の規模や予算は縮小傾向にありました。2015年以降は有料観覧席が廃止され、打ち上げ時間も短縮されました。2019年には、対外的な情報提供も全て取り止め、より教団内部の祭典としての色合いを強めました。しかし、多くの人々が花火大会の継続を望んでいました。

開催中止と今後の見通し

2020年からは、新型コロナウイルス感染症の流行により、5年連続で開催が中止されています。密集を避けるための措置として、教団は開催を断念せざるを得ませんでした。2023年には、資金不足や新しい生活様式への対応が難しいとして、中止が決定されました。2024年も同様に中止が発表され、花火大会の全面的な廃止は公表されていませんが、2025年以降の開催も未定のままです。

交通アクセス（2019年まで）

花火大会開催時には、近鉄長野線の富田林駅や富田林西口駅が最寄り駅となり、近鉄南大阪線や長野線では臨時ダイヤが運行されていました。大阪阿部野橋駅からの準急が多数運行され、富田林駅からの帰りの便も増発されていました。また、南海高野線の金剛駅や大阪狭山市駅からもアクセス可能でした。しかし、当日は路線バスが運休するため、徒歩での移動が中心となっていました。

交通規制

開催当日は、国道170号や国道309号の一部区間が通行止めとなり、周辺道路も交通規制が実施されました。近鉄バスや南海バスなどの路線バスも運休や短縮運行となり、交通手段に制約がありました。運送業者や宅配便業者の中には、花火大会当日の午後以降は富田林市内での配達業務を休止する会社も多く見られました。

脚注

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[出典]