寺垣猪三

寺垣猪三の生涯と功績

寺垣 猪三（てらがき いぞう、1857年2月22日 - 1938年6月1日）は、日本の海軍軍人として名高い存在です。彼は戦艦「敷島」の艦長として日露戦争において重要な役割を果たし、最終的には海軍中将の階級に昇進しました。寺垣は、加賀藩士の家に生まれ育ち、父親は馬廻り役として仕官していました。彼は家族に海軍士官が多く、長男孝三は海軍大佐、次男敬三は太平洋戦争で戦死した海軍少将という経歴を持っています。

海軍兵学寮での教育

寺垣は1873年に海軍兵学寮に入校し、その時期にダグラス少佐をはじめとするイギリス海軍の教育団による改革が行われました。従来のオランダ海軍の教育に代わり、ダグラスは実践を重視した教育方針を採用しました。彼は、それにより海軍兵学校の基礎を築くこととなります。寺垣はこの寮で近藤真琴や伊藤雋吉らの指導を受け、1878年に海軍少尉の補官として艦船の乗組みに就きます。

海軍将校としての成長

寺垣は艦船の乗組みや大学校の教官を経て、海軍大学校の甲号学生となるなど、次第にキャリアを積み重ねていきました。水雷専門の士官としての道を歩む中、1894年には日清戦争に従軍。戦後は勲五等を叙勲され、その後も艦長職を歴任し、北清事変での功績により勲三等を受章しました。1903年に「敷島」の艦長に就任すると、彼は日露戦争での海戦に臨みます。

日露戦争における戦闘

1904年、日本はロシアとの戦争を決意し、「敷島」は連合艦隊の一員として旅順港に進出。寺垣は艦長として海戦に臨みました。初めに発生した「初瀬」や「八島」の喪失は、連合艦隊にとって大きな打撃となりましたが、寺垣は冷静な判断力をもって艦を指揮。以降の黄海海戦や日本海海戦では重要な役割を果たし、戦局を優位に進める要因となりました。

日本海海戦の勝利

1905年5月27日、連合艦隊は日本海海戦でロシア艦隊に対し勝利を収めることとなります。寺垣は、敵艦に対する効果的な砲撃を行い、これにより敵艦隊を撃退しました。この海戦における「敷島」の戦死者は少なく、艦自体も大きな損失を免れました。この勝利により、外的な脅威を乗り越えた日本は国際的な地位を高めることに成功しました。

戦後の活動

戦後、寺垣は横須賀鎮守府の参謀長としての任務に就き、後に少将、続けて中将に昇進しました。南清艦隊や第3艦隊を指揮し、中国方面での警備活動に従事。彼の海軍でのキャリアは実に多岐にわたり、海軍協会の設立にも参画し、その理事として活動しました。

寺垣猪三の人生は、日本海軍の黎明期において重要であり、その功績は今日の海軍においても評価されています。彼の生涯は多くの困難を乗り越えた努力の賜物であり、後世においても多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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