寺田済一

寺田済一は、1895年（明治28年）に東京府で生まれ、1969年（昭和44年）に74歳で亡くなった日本の陸軍軍人です。陸軍中央幼年学校を経て陸軍士官学校を卒業後、歩兵科の将校としてキャリアをスタートさせました。その後、下志津陸軍飛行学校で偵察を学び、航空兵科に転科。以降、航空分野での専門性を高め、参謀本部での作戦立案や、海外駐在武官などを歴任しました。

日中戦争では、北支那方面軍の参謀として出征。その後も陸軍航空本部で要職を歴任し、航空部隊の発展に貢献しました。太平洋戦争では、第3航空軍の参謀長として南方作戦に従事し、その後も第4航空軍参謀長や第2飛行師団長を歴任。レイテ島の戦いにも参加しました。

終戦時には航空本部総務部長兼航空総軍参謀副長という要職にあり、敗戦処理にも携わりました。しかし、戦後には公職追放の対象となり、戦犯として逮捕、禁錮10年の有罪判決を受けました。1958年に釈放されるまで服役し、激動の時代を生きた人物として歴史に名を残しました。

寺田済一の軍歴は、陸軍の組織構造や航空戦力の変遷を理解する上で重要な事例であり、戦前・戦中の軍人としての活動は、日本の近代史における重要な側面を物語っています。

主な経歴

1895年（明治28年）：東京府に生まれる。
1916年（大正5年）：陸軍士官学校卒業、歩兵少尉任官。
1923年（大正12年）：陸軍大学校卒業。
1924年（大正13年）：下志津陸軍飛行学校で偵察を学ぶ。
1925年（大正14年）：航空兵科に転科。
1937年（昭和12年）：北支那方面軍参謀として日中戦争に出征。
1941年（昭和16年）：陸軍少将に昇進。
1943年（昭和18年）：第3航空軍参謀長として太平洋戦争に出征。
1944年（昭和19年）：陸軍中将に昇進。
1944年（昭和19年）：第2飛行師団長としてレイテ島の戦いに参戦。
1945年（昭和20年）：航空本部総務部長兼航空総軍参謀副長。
1948年（昭和23年）：戦犯として禁錮10年の有罪判決を受ける。
1958年（昭和33年）：釈放。
1969年（昭和44年）：死去。

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