対空戦

対空戦の概要

対空戦（Anti-air warfare, AAW）は、航空機やミサイルを対象にした軍事行動を指します。特に、アメリカ海兵隊では攻撃的対空戦（Offensive antiair warfare, OAAW）と防空（Air defense）を区別し、アメリカ空軍では防空を能動的と消極的に分けて、さらなる細分化が行われています。具体的には、防空の能動的部分には航空機や巡航ミサイルに対する防空、弾道ミサイルに対するミサイル防衛が含まれます。

歴史的背景

第一次世界大戦と対空戦の始まり

1914年に勃発した第一次世界大戦において、航空機は偵察や攻撃に利用されました。この時期、航空機の性能はまだ十分ではなく、艦艇に対して実際的な脅威とは見なされていませんでした。しかし、艦艇側は軽航空機や気球などの利用可能性を認識し、早期に対空兵器を備えるようになります。1920年代末には、航空機の性能向上と共に対空戦が充実し始めましたが、大規模な攻撃を考慮するには至っていませんでした。

第二次世界大戦の影響

第二次世界大戦の直前まで、航空機による対艦攻撃は少数機によるもので、その脅威はまだ限定的でした。ところが、艦載機部隊が複葉機から単葉機に転換し、各国の海軍航空力が増強される中で、航空機による対艦攻撃が本格化する兆しが見えてきます。その結果、各国海軍は空からの脅威に対して意識を強め、艦艇の自衛能力向上に努めるようになります。イギリスのダイドー級、アメリカのアトランタ級など防空機能を重視した艦艇が建造される一方で、これらは全体としては例外的な存在でした。

大戦中の対空戦の進展

戦争が進行するにつれ、空中からの脅威は急増し、各国の艦艇は多様な機銃や高角砲を甲板に設置していきました。しかしこれらの装備はしばしば仮設的なもので、効率に問題を抱えていました。対空戦闘の際には多くの弾薬や火薬が搭載されるため、ダメージコントロールの面でのリスクが高まりました。そのため、フランス海軍が戦後に整備した「ド・グラース」や「コルベール」などの専門艦艇が必要とされていました。

空対空戦闘の発展

空対空戦闘は、第一次世界大戦時にはパイロット同士が銃撃戦を行う程度でしたが、時間と共に発展していきます。特に、フランス空軍のローラン・ギャロスが固定銃を装備することで、戦闘機同士の空対空戦闘という新たな戦闘概念が生まれました。現在では、主に空対空ミサイルが使用されますが、戦闘機には固定の機関砲を搭載し、対地・対空攻撃能力も保持しています。

結論

対空戦は、技術の進歩と共に進化し続けてきた重要な軍事要素です。敵からの空中攻撃に対抗するための戦術は複雑化しており、今後の戦争においてもその重要性は変わることがありません。

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