対馬南警察署

長崎県警察に属する対馬南警察署（つしまみなみけいさつしょ）は、国境の島である対馬市の南側エリアを管轄する警察署です。

管轄区域

当警察署が管轄する区域は、現在の対馬市のうち、かつての下県郡に属していた旧厳原町、旧美津島町、旧豊玉町の全域です。対馬島は地理的に広大であるため、北部地域は対馬北警察署が管轄しており、当署は島の南部地域における治安維持、交通安全、各種行政サービスなどを担っています。

沿革

対馬南警察署の歴史は明治時代に遡り、その組織は幾度かの変遷を経て現在に至ります。

1872年（明治5年）: 長崎県厳原支所に警察課が設けられ、対馬全島における警察行政を担当するようになりました。
1876年（明治9年）: 長崎県警察第七区出張所が設置され、警察体制が強化されます。
1878年（明治11年）3月: 出張所は厳原警察署と名称を改めました。
1926年（大正15年）7月: 佐須奈分署が佐須奈警察署（現在の対馬北警察署の前身）として分離・独立しました。これにより、上県郡は同署の管轄となり、対馬島の警察管轄が南北に分かれることとなりました。
1948年（昭和23年）2月1日: 戦後の警察制度改革に伴い、国家地方警察長崎県本部下県地区警察署が設置され、同時に自治体警察としての厳原町警察署も置かれ、一時的に二つの警察組織が存在しました。
1951年（昭和26年）10月1日: 自治体警察の厳原町警察署は廃止され、国警下県地区警察署へ統合されました。
1954年（昭和29年）7月1日: 警察法改正により国家地方警察が廃止され、新たに長崎県警察が発足。国警下県地区警察署は廃止され、長崎県警察厳原警察署が改めて設置されました。
1989年（平成元年）10月6日: 厳原町天道茂にあった庁舎から、現在の厳原病院跡地へと庁舎が新築移転されました。
2004年（平成16年）4月1日: 平成の大合併により対馬市が誕生したことに伴い、厳原警察署は現在の対馬南警察署へと名称が変更されました。
2006年（平成18年）4月1日: 管内の交番および駐在所の組織再編が行われました。小綱警察官駐在所は廃止され、水崎警察官駐在所に統合。美津島交番は美津島警察官駐在所へと変更されました。
2009年（平成21年）4月2日: 小浦交番は、対馬市厳原町今屋敷に新しい庁舎を建設して移転し、厳原交番と名称を改めました。
2010年（平成22年）3月4日: 佐須警察官駐在所が移転しました。

交番・派出所・駐在所

対馬南警察署の管内には、地域住民との接点となる交番、派出所、そして多くの警察官駐在所が設置されています。かっこ内は所在地です。

交番
厳原交番（対馬市厳原町今屋敷711番地7）：旧小浦警察官駐在所が改編・移転・改称を経て現在に至ります。

派出所
対馬空港警備派出所（対馬市美津島町鶏知）：対馬空港の安全確保を担います。

警察官駐在所
厳原地区:
豆酘警察官駐在所（豆酘631番地10）
浅藻警察官駐在所（浅藻10番地39）
佐須警察官駐在所（下原282番地9）：老朽化に伴い2010年に移転しました。
美津島地区:
美津島警察官駐在所（鶏知甲528番地）：2006年に美津島交番から改編されました。
加志警察官駐在所（加志156番地4）
久須保警察官駐在所（久須保647番地6）
芦浦警察官駐在所（芦浦57番地2）
豊玉地区:
浦底警察官駐在所（鑓川132番地3）
豊玉警察官駐在所（仁位1352番地3）
水崎警察官駐在所（嵯峨563番地3）：2006年に廃止された小綱警察官駐在所の管轄区域を統合しました。

廃止された警察官駐在所:
小綱警察官駐在所（小綱17番地）：2006年に水崎警察官駐在所へ統合。
小浦警察官駐在所（小浦5番地27）：2009年に移転し、厳原交番となりました。

警備艇

海上からの密輸・密漁対策や海難救助活動などのため、以下の警備艇を保有しています。

つしま（41.00トン）
ちどり（2.76トン）

運転免許証の即日交付

対馬南警察署は、長崎県内で数少ない運転免許証の即日交付に対応している警察署の一つです。これにより、島内の住民は免許証の更新や再交付などの手続きを迅速に行うことができます。

関連事項

長崎県警察
* 対馬北警察署

（参考文献：「長崎県警察史」第三巻）

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