上県郡

上県郡（かみあがたぐん）

上県郡は、かつて長崎県の対馬に存在した郡です。1878年（明治11年）に行政区画として発足し、現在の対馬市の一部（峰町、上県町、上[[対馬町]]の各地域）にあたります。

郡域

1878年（明治11年）に行政区画として発足した当初の郡域は、現在の対馬市の一部、具体的には峰町、上県町、上[[対馬町]]の各町に相当します。

歴史

古代

『続日本紀』によると、神護景雲2年（768年）には、全国から善行を行った9人が選ばれ、終生の税が免除されました。その中に、対馬嶋上県郡の高橋連波自采女という人物がおり、貞節で孝養に厚い女性として名を残しています。

式内社

『延喜式』神名帳には、郡内に存在する式内社が記載されています。

近世以降の沿革

明治初年、上県郡は全域が対馬府中藩の領地でした。「旧高旧領取調帳」によると、当時の村は以下の45村でした。

五根緒村、舟志村、中原村、大増村、浜久須村、玖須村、唐舟志村、富ヶ浦村、網代村、比田勝村、古里村、西泊村、泉村、豊村、鰐浦村、河内村、大浦村、佐護村、西津屋村、佐須奈村、櫛村、佐賀村、志多賀村、小鹿村、一重村、葦見村、琴村、志多留村、伊奈村、越高村、御園村、犬ヶ浦村、樫滝村、瀬田村、飼所村、鹿見村、久原村、女連村、津柳村、青海村、木坂村、狩尾村、三根村、吉田村、賀佐村

1869年（明治2年）8月7日、府中藩は厳原藩と改称されました。

1871年（明治4年）7月14日、廃藩置県により厳原県、同年11月14日には第一次府県統合により伊万里県の管轄となりました。

1872年（明治5年）5月29日、佐賀県（第二次）の管轄となり、同年8月17日には長崎県の管轄となり、長崎県出張所巌原支庁が設置されました。

1878年（明治11年）10月28日、郡区町村編制法の施行により、行政区画としての上県郡が発足。上下県郡役所が下県郡厳原町に設置され、同郡とともに管轄しました。

1883年（明治16年）6月1日、厳原支庁が再設置され、1884年（明治17年）4月1日には上下県郡役所が廃止され、地域区分名称となりました。

1886年（明治19年）8月18日、厳原支庁は対馬島庁と改称し、1897年（明治30年）4月1日には郡制が施行されました。

町村制以降の沿革

1908年（明治41年）4月1日、島嶼町村制の施行により、以下の5村が発足しました。これらの村は、現在では全て対馬市の一部となっています。

峰村: 櫛村、佐賀村、志多賀村、賀佐村、吉田村、三根村、青海村、木坂村、狩尾村、津柳村が合併。
仁田村: 久原村、鹿見村、樫滝村、飼所村、瀬田村、犬ヶ浦村、御園村、越高村、伊奈村、志多留村、女連村が合併。
琴村: 小鹿村、一重村、琴村、葦見村、中原村、五根緒村、舟志村が合併。
佐須奈村: 佐護村、佐須奈村、西津屋村が合併。
豊崎村: 大増村、玖須村、浜玖須村、唐舟志村、富ヶ浦村、網代村、比田勝村、古里村、西泊村、河内村、大浦村、鰐浦村、泉村、豊村が合併。

1926年（大正15年）7月1日、郡制が廃止され、対馬島庁は内務省告示により対馬支庁に改組されました。

1948年（昭和23年）12月1日、豊崎村が町制を施行し豊崎町となりました。

1955年（昭和30年）1月1日、豊崎町と琴村が合併し、上[[対馬町]]が発足しました。

同年4月15日、仁田村と佐須奈村が合併し、上県町が発足しました。

1976年（昭和51年）4月1日、峰村が町制を施行し峰町となりました。

2004年（平成16年）3月1日、峰町、上県町、上[[対馬町]]が、下県郡の厳原町、美津島町、豊玉町と合併し対馬市が発足。これにより上県郡は消滅しました。長崎県内では1896年の郡の再編以来、壱岐郡、下県郡とともに初の郡消滅となりました。

行政

上下県郡長

上下県郡長は、上県郡と下県郡の行政を統括していました。主な人物として、相良正樹が挙げられます。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 42 長崎県、角川書店、1987年6月1日。ISBN 4040014200。
旧高旧領取調帳データベース
平山棐『津島紀事』津島紀事刊行会、1917年。NDLJP:956888。
長崎縣令第二十號『対馬の各町村合併及びその名称に関する件〔1〕、〔2〕』長崎県公報 明治41年3月25日付号外

関連項目

下県郡
消滅した郡の一覧
峰町歴史民俗資料館
* 上[[対馬町]]歴史民俗資料館

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