小串和夫

小串和夫：神職としての足跡と多岐にわたる貢献

小串和夫（おぐし かずお、1943年9月26日 - ）は、日本の神職であり、熱田神宮名誉宮司、学校法人皇學館理事長を務めた人物です。その経歴は、神社界と教育界に深く根ざし、多岐にわたる貢献をしています。

生い立ちと学問

1943年、三重県桑名市に多度神社の社家である小串家に生まれました。父が宮司であったことから、幼い頃から神職の道を意識していましたが、若い頃は葛藤もあったと述懐しています。皇學館大学に進学し、国史学科で学びました。そこで鎌田純一に師事し、その推薦により乃木神社に奉職することになります。

乃木神社での奉職

乃木神社では、権禰宜、禰宜を経て、1979年に宮司に就任しました。在職中には、乃木會館の竣工、御鎮座五十年大祭斎行、鎮座六十年記念の奉祝大祭斎行など、数々の重要な行事に奉仕しました。また、儀式殿・参集殿の新設にも尽力しました。東京都神社庁協議員や皇學館大学評議員、神宮評議員も務めました。

多度神社宮司時代

1985年、父の退任に伴い、先祖累代が奉仕してきた多度神社の宮司に就任しました。昭和から平成への代替わりという時代の中で、御大典記念事業として参集殿・新神楽殿の新築、大鳥居建設、神橋架け替えなどを実施しました。特に上げ馬神事には強い思い入れがあり、安全面を重視しながら啓発活動を推進しました。三重県神社庁理事や研修所講師も務めました。

熱田神宮へ

1994年、皇學館大学の先輩である岡本健治に請われ、熱田神宮権宮司に転任。1998年には宮司に就任しました。2005年には、天皇・皇后の愛知万博行幸啓の際、熱田神宮で臨時大祭を斎行しました。愛知県神社庁庁長、神社本庁常務理事、神社新報社代表取締役社長、神社本庁副総長など、神社界の要職を歴任しました。

退任後も続く貢献

2018年に熱田神宮宮司を退任し、名誉宮司となりました。その後も、学校法人皇學館理事長に就任し、教育分野で貢献を続けています。令和への代替わりを奉祝する式典での挨拶や、皇學館大学入学式での祝辞など、重要な場面で言葉を述べています。

人となり

趣味は読書、俳句も嗜みます。座右の銘は「生涯初心」、宮司の立場では「慎みて怠ることなかれ」を大切にしています。タバコは吸わず、熱田神宮宮司時代には健康のためにウォーキングを日課としていました。タクシーにまつわるエピソードもいくつかあり、親しみやすい人柄がうかがえます。

その他の活動

日本文化興隆財団理事、伊勢神宮崇敬会常任評議員、世界宗教者平和会議日本委員会顧問、日本宗教連盟参議、日本会議代表委員、式内社顕彰会理事、儀礼文化会理事、日本民族工芸技術保存協会、美しい日本の憲法をつくる国民の会代表委員、愛知県日の丸協会名誉顧問、名古屋市博物館協議員、伊勢麻振興協会代表理事など、多岐にわたる役職を歴任しました。

小串和夫は、神職として、また教育者として、日本の伝統文化と精神性の継承に尽力した人物として、その功績は長く記憶されることでしょう。

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