小九紋竜梅吉

小九紋竜 梅吉：波乱万丈の生涯を送った異色の力士

小九紋竜 梅吉（こくもんりゅう うめきち、1883年7月 - 1943年7月29日）は、兵庫県出身の大坂相撲の元力士。本名を岡田 作次郎といい、最高位は小結。第11代時津風親方としても知られています。

相撲界入りと素行不良

若紋竜として大坂相撲の時津風部屋に入門後、1906年に入幕。1908年には小結に昇進しますが、その後は負け越しが続き、平幕に降格。九紋竜と改名します。しかし、梅吉は博打好きで借金を重ね、喧嘩を繰り返し、人を騙すなど素行が悪く、1909年には親方から「世の中の妨げばかりする」と咎められ、「妨 四郎盛足」と改名させられます。しかし、素行は一向に改善されず、ついには脱走して満州に渡り、満州馬賊となってしまいます。

親方就任と再びの失踪

1919年、10代時津風親方の死去に伴い、数年ぶりに姿を現した梅吉は、部屋の最年長者であったことから、時津風の名跡を継承し、11代時津風親方となります。しかし、部屋を継ぐ意志は乏しく、再び満州へ渡り姿を消してしまいます。

相撲界への復帰と晩年

1927年に大日本相撲協会が発足し東西合併となると、時津風部屋もその所属となりますが、親方不在のため部屋は斜陽化。1932年の春秋園事件後、梅吉は突然出羽海部屋に現れ相撲協会に帰参、時津風部屋を再興します。1935年には弟子を粂川部屋に譲る形で時津風部屋を閉鎖しますが、中国大陸や満州を巡業する際には、その経験を生かして先発親方として活躍しました。

1938年に再び時津風部屋を再興するも、1941年に横綱双葉山に年寄名跡を譲って廃業。所属力士は立浪部屋へ移籍し、その中には後の関脇・時津山もいました。1943年、60歳でその波乱万丈な生涯を閉じました。

双葉山と時津風名跡

双葉山が取得した時津風の名跡は、東京相撲の系譜であり、梅吉以前の時津風とは無関係です。双葉山が名跡を取得する際、「それは大坂相撲の評判の悪い親方の名跡だから」と諫める者もいましたが、「年寄名跡はどれも同じ、悪い名跡であるなら私が良くします」と答えたと伝えられています。

改名歴

若紋竜 梅吉（不明 - 1905年）
小九紋竜 梅吉（1906年1月場所 - 1908年1月場所）
九紋竜 大五郎（1908年6月場所）
妨 四郎盛足（1909年1月場所 - 不明）

まとめ

小九紋竜梅吉は、素行不良で破門、満州馬賊へ転身後、親方となるも再び失踪するなど、波乱万丈な人生を送った異色の力士でした。その破天荒な生き様は、今も相撲ファンの間で語り継がれています。

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