小倉発電所

小倉発電所の概要と歴史

小倉発電所（こくらはつでんしょ）は、福岡県北九州市小倉北区にかつて存在した火力発電所です。1931年から1963年まで運転され、北九州工業地帯における電力供給の重要な役割を果たしました。この発電所は九州電気軌道によって建設され、当時の主要電源の一つとなっていました。

建設と初期の運転

小倉発電所の建設は1931年11月29日に完成し、運転が開始されました。この発電所は、平松浦埋立地に位置し、それまでの「小倉発電所」が「小倉第二発電所」と改称され、新しく建設された発電所が「小倉第一発電所」とされています。発電所に導入されたボイラーやタービンはアメリカやイギリスからの優れた設備が採用され、高効率な発電を実現しました。

出力の増強と電力管理法の影響

1939年、日本各地の火力発電所の管理が政府により統一される「電力管理法」が施行され、小倉発電所は日本発送電に帰属しました。その後も発電所の出力増強が行われ、特に1942年から1943年にかけてボイラーの増設が行われ、発電能力は5万4000キロワットから8万1000キロワットへと向上しました。

戦後の需要増加と周波数転換

戦後の電力需要増加に対処するため、小倉発電所は周波数転換工事を受けることとなり、1950年代初頭には60ヘルツでの運転が実施されるようになりました。この取り組みは、九州電力の発足後も続きました。

廃止とその後

1960年代になると、九州電力は新型の大容量発電所を建設し始め、旧型の小倉発電所は次第に不要となりました。1963年11月30日には、同じく1931年に運転を開始した港第一発電所とともに正式に廃止されました。これにより小倉発電所の長い歴史に幕が下ろされました。

設備と技術

小倉発電所はその発電能力を維持するために、複数のボイラーとタービン発電機を備えていました。当時最新の設備として、アメリカのバブコック・アンド・ウィルコックス製のボイラーと、英国のメトロポリタン＝ヴィッカース製のタービンが配置され、高い発電効率を誇りました。

まとめ

小倉発電所は、戦前から戦後にかけて北九州市の工業発展を支えた重要な電力供給源でした。その歴史を通じて、技術革新がもたらした変化や政策の影響を受けて成長し続けましたが、時代の変化と共に廃止されることとなりました。発電所の存在は、九州の電力供給の発展に寄与した証しといえるでしょう。

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