新潟県魚沼市青島に位置する小出
スキー場は、魚沼丘陵の北端に広がるウインターレジャー施設です。エリア全体が成田山
鳥獣保護区に指定されており、自然豊かな環境の中で
スキーやスノーボードを楽しむことができます。
この
スキー場は、
1953年に開設された長い歴史を持っています。特に開業当初は、自家用車での移動が一般的ではなかった時代に、JR
小出駅から徒歩約10分という抜群のアクセスを誇り、多くの
スキー客で賑わいました。越後湯沢周辺に多数の
スキー場が誕生する以前、
1980年代より前には、遠方からの利用者のために
上野駅から当
スキー場へ向かう
スキー専用列車まで運行されていたほどで、往時を知る年配の
スキーヤーにとっては思い出深い場所となっています。リフトやナイター設備が完成したのは
1961年12月29日のことです。
現在の
スキー場は、最高地点の標高が258m、最長滑走距離は約1kmとコンパクトながら、ペアリフトが3本(第1ペアリフト229m、第2ペアリフト221m、第3ペアリフト338m)配置されており、初心者から上級者までそれぞれのレベルに合わせたコースを楽しめるよう設計されています。また、ゲレンデの隣にはオールシーズン対応のジャンプ台(シャンツェ)が整備されており、積雪のない季節にも地域のジャンプ競技会などが開催されるなど、
スキー以外の活用もされています。
小出
スキー場を訪れる人々を惹きつけるもう一つの大きな魅力は、その素晴らしい眺望です。特に、
越後駒ヶ岳、
中ノ岳、八海山からなる
越後三山を、バランスの取れた美しい姿で一望できるポイントがあることは広く知られています。
場内には、
スキーをより快適に楽しむための様々な施設が点在しています。麓の第1ペアリフト乗り場前にある「小出総合
スキーセンター」は、
スキー場やSAJ公認
スキー学校の事務所を兼ねた主要施設です。1階には無料休憩スペースやレンタル
スキーショップがあり、2階にはレストラン「メルヘン」や売店、テーブル席が設けられています。特に週末はファミリー層で賑わい、飲食物の持ち込みも可能なため、昼食時には混雑することもあります。場内は全面禁煙です。コース中腹の第3ペアリフト乗り場横には、食堂「山小屋」があります。ここでは、ラーメンや丼ものといった食事に加え、地元産の
越後もちぶたを使ったメニューや肉まんなどの軽食も購入でき、ちょっとした休憩に便利です。第2ペアリフト乗り場側には、1998年8月7日に開業した日帰り温泉施設「見晴らしの湯こまみ」があります。
魚沼市が運営してきたこの施設は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性中性温泉)の泉質で、加温された源泉かけ流しの湯(加水なし)を楽しむことができます。温泉施設のほか、マッサージルームや休憩所、貸切可能な研修室やゲストルームも完備されています。食事は出前で提供され、施設内では飲み物やお菓子、地元特産品などの販売も行われています。駐車場は、市営駐車場が70台、見晴らしの湯こまみ駐車場が100台分のスペースを提供しています。
冬季以外、雪のない季節には、「小出
公園」として敷地の一部が市民に開放されています。交通
公園やグラウンド、遊歩道などが整備され、四季折々の花壇が彩りを添えます。また、
スキー場の最高標高地点にあたる駒見山(標高262m)周辺には、地元の有志によって整備された遊歩道があり、
カタクリをはじめとする豊かな
自然観察や、健康増進のためのウォーキングなどに多くの人々が利用しています。
歴史的な背景から、小出
スキー場は地域のレジャー拠点として親しまれてきましたが、近年は存続の危機に直面しました。周辺町村との合併により誕生した
魚沼市が、旧町村から引き継いだ複数の
スキー場を管理する中で、
スキー人口の減少などを背景に、2009年
12月には標高の低い当
スキー場を2010-2011シーズン限りで閉鎖する方針が示されました。しかし、地元を中心とした存続を求める声が高まり、2012-2013シーズンは
指定管理者制度のもと地元企業による1年間の限定運営が行われました。そして、2013-2014シーズンからは、特定非営利活動法人(NPO法人)「スノーパーク小出」が組織され、地元医師や住民、有志の協力のもと、民間による運営へと移行しました。これにより、小出
スキー場は地域の努力によってその灯を守り続け、現在に至っています。
交通アクセスについては、自動車の場合、見晴らしの湯こまみ側入口へは
関越自動車道魚沼ICから約2.7km、市営駐車場側入口へは
関越自動車道小出ICから約3.6kmです。公共交通を利用する場合、JR
上越線小出駅から徒歩約10分(700m)と非常に便利です。かつての賑わいを支えた駅からの近さは、現在も公共交通利用者にとって大きなメリットとなっています。
地域に根差した小出
スキー場は、ウィンタースポーツだけでなく、年間を通じて多様な楽しみ方を提供しており、地元の宝として大切にされています。
基礎データ
所在地: 新潟県魚沼市青島1609
開設: 1953年(リフト・ナイター完成
1961年12月29日)
営業期間: 12月中旬 -
3月初旬(積雪状況により変動)
営業時間: 9:00 - 17:00(ナイター営業日は21:00まで)
リフト: 第1ペアリフト (229m), 第2ペアリフト (221m), 第3ペアリフト (338m)
駐車場: 市営駐車場 70台, 見晴らしの湯こまみ駐車場 100台
関連施設
見晴らしの湯こまみ
小出
公園
スノーパーク小出(NPO法人)
関連項目
日本の
スキー場一覧
鳥獣保護区
越後三山
魚沼市
小出駅