小出朋治

小出朋治の生涯と影響

小出朋治（1888年3月9日 - 1945年9月10日）は、日本ホーリネス教会の主要な牧師の一人で、教義を守り続けた姿勢が評価されています。幼少期は新潟県三条町で過ごし、教育を受けた後に上京し、商店員として働きつつ正則英語学校で学びました。1904年に中央福音伝道館で洗礼を受け、信仰の道を歩み始めることとなります。

1907年には柏木聖書学院を卒業し、東洋宣教会の牧師に就任。初めて長岡市の福音伝道館に赴任した後、新潟県内を巡回し、伝道活動に尽力しました。1909年には米子に新たな福音伝道館が設立され、その伝道者にも任命されました。

1911年、大宮の福音館で牧師をしていた時に聖教団事件が発生。小出は中田重治監督側について教職者を辞任し、その後ホーリネスを離れて鹿児島県奄美大島で開拓伝道を始めました。この地で中田重治が訪ねてくるなど、彼の信仰の道は試練を経ながらも続いていきます。

1917年に広島アライアンス教会からの招聘を受け、中野教会に赴任。その後伊東教会に転任し、1922年には再び日本ホーリネス教会に戻って浅草教会の牧師に就任します。関東大震災では教会が焼失しましたが、小出一家は無事であり、この経験は彼の信仰にさらなる深みを与えることとなります。

1925年からは京城に転任し、韓国と満州での伝道に力を入れました。特に慈恵病院を訪れた際には、すでに多くの信者が洗礼を受けていることに喜びを感じました。1936年にはホーリネスの分裂事件を受けて日本に戻り、日本聖教会参与として活動を続けました。特に大阪西野田教会の牧師をしていた時には、後の著名な信者に洗礼を授けるなど、教会の成長に寄与しました。

1942年、ホーリネス系団体の一斉検挙により逮捕され、禁固3年の実刑を受けました。この時期、彼は家族に送った手紙で「生還を願わずして死に至るまで信なれ」と信仰を貫く決意を表明しました。

1945年、終戦を迎えた頃、堺刑務所で病死したとの知らせが届きました。死亡診断書には動脈硬化症と記載されていましたが、遺体には拷問による傷痕が残されており、彼が受けた苦痛が伺えます。小出朋治はその信仰に殉じた人物として記憶され、今日でも彼の生涯は多くの人々に影響を与えています。このように、彼の生き様は日本キリスト教界において重要な意義を持ち続けています。

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