小原 (飲料メーカー)

株式会社小原

株式会社小原は、北海道亀田郡七飯町に本社を構える清涼飲料水の製造・販売企業です。

概要

古くから北海道道南地域において、サイダー、ラムネ、そして特にガラナ飲料のメーカーとして地域住民に親しまれてきました。近年では、販売網の拡大やメディア露出を通じて、北海道を代表するガラナ飲料メーカーとしての地位を確立し、道内全域はもとより本州でもその名が知られるようになっています。

2000年代に入ると、従来の概念にとらわれない独創的な製品開発に力を入れ始めます。特に、ガラナ飲料では一般的な褐色系に加え、白色、紫色、赤色、ピンク色といった多様なカラーバリエーションを持つ製品を開発しました。北海道の人気キャラクターとのタイアップによる緑色のガラナなども生まれました。無色透明の「白いガラナ」は、見た目はサイダーに似ていますが、しっかりとしたガラナ風味が特徴です。当初はキャンペーンの懸賞品でしたが、翌年には季節限定商品として市場に登場し、ご当地サイダー・ラムネブームの中でその斬新さからメディアにも取り上げられました。

沿革

会社の起源は明治時代に遡ります。福井県出身の小原家が駒ヶ岳山麓に入植したことに端を発し、創立者の小原三次郎が1931年に森町でヤマブドウを原料とした果実酒（葡萄酒）の醸造を開始しました。

清涼飲料事業に参入したのは戦後で、1949年にラムネの製造を開始。翌1950年には清涼飲料部門を有限会社小原商店として組織化しました。

1953年にはサイダー製品「銀星シトロン」を発売しています。

1960年には、全国的な統一商標である「コアップガラナ」の製造・販売に加わりました。

1973年には果実酒製造部門を分離独立させ、「駒ケ岳酒造株式会社」（現在の株式会社はこだてわいん）を函館ヤクルト販売株式会社と共同で設立しています。

会社組織が株式会社小原に改組されたのは1991年のことです。

2010年にはコアップガラナ生誕50周年を記念し、特別な「コアップガラナプレミアム」が懸賞品として製造されました。

主な製品

現在、小原が手掛ける清涼飲料水は多岐にわたります。

ソーダ: 「めろんソーダ（なまらスパークリング）」など。
サイダー: 定番の「銀星シトロン」や「ハスカップサイダー」があります。ユニークなところでは、宗谷海峡の塩を使った「日本最北端の塩サイダー」シリーズ（レモンフレーバーもあり）など、地域色豊かな製品も製造しています。（過去にはミントやカモミールを使った「鼻スッキリサイダー」もありました。）
ラムネ: イカスミを使用した「函館イカス!ミ ラムネ」やシラカバの樹液を加えた「北海道白樺ラムネ」といった個性的な製品も手掛けています。
コアップガラナ: 同社の主力製品の一つで、ペットボトルとクラシック瓶の両方で展開されています。「コアップガラナドライ」のような派生製品もあります。
タイアップ品: 「まりもっこり」や「熊出没注意」といった北海道のキャラクターとのコラボレーション製品も人気です。
期間限定品: 季節ごとの特別な製品も多く、春には淡いピンク色の「さくら」や和三盆糖を使った「白梅」が登場します。年末年始向けには、様々な種類のシャンメリーも製造しています。また、受験シーズンにはカフェインを増量し、学問の神を祀る神社で祈祷された原料を使用した「うか～る星人合格祈願ガラナ」といったユニークな製品も企画しています。

本社および工場は七飯町の函館工場に置かれています。

北海道の飲料文化の一翼を担う企業として、伝統の味を守りつつ、新たな挑戦を続ける株式会社小原の製品は、道内外で広く親しまれています。

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