小原伊佐美

小原伊佐美（おばら いさみ）氏は、日本の競馬界に大きな足跡を残した元騎手、元調教師です。1944年2月15日生まれ、2024年1月15日に79歳でこの世を去りました。

騎手としてのキャリアは1961年、京都競馬場の坂口正二厩舎所属の騎手見習いから始まりました。翌1962年には騎手免許を取得し、デビュー。その後、内田繁三厩舎に移籍し、1977年まで騎手として活躍しました。中央競馬通算1814戦174勝という成績を残しています。主な騎乗馬には、ホウシュウヒカリ、サトヒカル、キンセンオーなどがいます。

1977年、騎手を引退し、調教助手として栗東トレーニングセンターの吉永猛厩舎に所属。そして1979年には調教師免許を取得、1980年に自身の厩舎を開業しました。

調教師としての小原氏の最大の功績は、なんといってもタマモクロスとの出会いでしょう。タマモクロスは、小原厩舎の管理馬として1987年の鳴尾記念で重賞初勝利を挙げると、翌1988年には天皇賞（春）を含むGI競走を複数制覇。この活躍により、小原氏は1988年度のJRA賞最多賞金獲得[[調教師]]を受賞しました。タマモクロス以外にも、トーアファルコン、ロンシャンボーイ、ルーブルアクトなど、数々の名馬を育成・管理しました。

小原厩舎は、タマモ株式会社所有の馬を多く管理していたことでも知られています。また、息子である小原義之氏を調教助手として迎え、父子で重賞競走を4勝するなど、競馬界でも異彩を放つ存在でした。

小原伊佐美氏の指導力と馬との絆は、多くの競走馬の才能を開花させ、日本の競馬界に大きな影響を与えました。タマモクロスが藤森特別を圧勝した際、一部マスコミから「菊花賞での関西の秘密兵器」と呼ばれたエピソードも有名です。しかし、小原氏は将来を見据え、菊花賞への出走を見送るという決断を下しました。このエピソードからも、彼の戦略家としての側面がうかがえます。

2014年に調教師を引退した後も、競馬界への貢献は衰えることはありませんでした。2024年1月15日の逝去は、競馬関係者にとって大きな損失であり、彼の功績は長く記憶に刻まれることでしょう。彼の残した数々の名馬と、その活躍は、日本の競馬史に燦然と輝く金字塔として永遠に語り継がれていくことでしょう。

小原伊佐美氏の厩舎には、息子である小原義之氏（現調教助手）、清山宏明氏（当時騎手）、内田国夫氏（調教助手）らが所属していました。

小原伊佐美氏の功績は、日本の競馬史に大きな足跡を残しました。その指導力と情熱は、多くの競馬関係者に深い感銘を与え続け、これからも語り継がれていくことでしょう。

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