小原十三司

小原 十三司の生涯

小原十三司（おばら とさじ、1890年1月23日 - 1972年1月25日）は、日本の牧師および神学校教師であり、ホーリネス運動において重要な役割を果たした人物です。岩手県の土沢で居酒屋の息子として生まれ、初期の教育を受けた後、電信員として働きながら、信仰へと導かれる道を歩みました。

初期の人生

彼は1890年に岩手県の土沢で生まれ、地元の小学校や専門学校で学びました。最初は電信員として働き、森岡や東京での勤務を経ていた彼ですが、1907年に大きな転機を迎えます。その年の9月、夏休みの帰省中に教会を訪れ、米田豊の伝道に触れ、中田重治の説教を通してバプテスマを受け、信仰の道を志すようになります。

聖化と献身

1908年には盛岡バプテスト教会で聖化の恩恵を受けるとともに、神への献身を決意し、1909年から柏木聖書学院に入学しました。その後、全国各地の伝道活動に参加し、様々な教会での経験を積むことになります。しかし、1911年には教会内の事件に失望し、一時的に学業を中断し、故郷に戻ることになります。

牧師としての歩み

1914年に淀橋教会の副牧師に就任し、1919年には淀橋教会の第四代牧師に就任しました。この時期、彼はホーリネス・リバイバルの中心的な存在となり、自らの信仰を広めるために尽力しました。1924年には、ホーリネス教会の監督局会計としても活動を始めました。

日本聖教会と全国的活動

1936年にはホーリネス和協分離後、日本聖教会の一員として活動を続け、財務局長を務めました。1940年には皇紀二千六百年奉祝全国基督教信徒大会の最後の祈祷を担当し、信徒たちの信仰を鼓舞する言葉を広めました。

戦争と試練

1941年には日本基督教団の成立に関与し、国外伝道局長に就任しましたが、1942年には特高警察に逮捕され、教会から辞職させられました。この間、治安維持法違反の容疑をかけられ、裁判の結果、有罪判決を受けて2年間の禁固刑に服しました。しかし、1945年の終戦により釈放され、信仰の試練に対する感謝の気持ちを語りました。

復職と教会再建

釈放後、彼は再度牧師として働き、淀橋教会の再建や新宿区百人町への移転を行いました。1949年にはホーリネス運動に留まる一方で、ホーリネスの群の形成にも携わり、東京聖書学校の校長として活躍しました。

晩年

1955年にはブラジルのホーリネス教会創立80周年を祝うために訪問し、その後も信仰の発展に尽力しました。1972年には淀橋教会の牧師としての職務を続けながら死去しました。彼の教会に対する献身と信仰の歩みは、多くの人々に影響を与え続けています。彼の妻、小原鈴子と共に著書も出版し、信仰の道を多くの人に伝えました。

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