小山氏の乱

小山氏の乱

小山氏の乱（おやましのらん）は、室町時代前期に下野守護であった小山義政が、鎌倉公方足利氏満に対して起こした一連の反乱を指します。反乱は小山義政の乱（天授6年/康暦2年、1380年 - 弘和2年/永徳2年、1382年）、およびその後小山義政の遺児、小山若犬丸（隆政）によって引き継がれた小山若犬丸の乱（元中3年/至徳3年、1386年 - 応永4年、1397年）で構成され、合計17年にわたり繰り広げられました。この長期にわたる争いの結果、ついには小山氏嫡流が滅亡することとなります。

前史

小山氏は鎌倉時代以来、代々下野の守護を務めてきましたが、国内には宇都宮氏や那須氏、長沼氏といった強力な勢力が存在し、統治が不安定でした。特に宇都宮氏は南北朝時代には小山氏よりも大きな勢力を持ち、霜月の変や応安の大争論を経て、勢力争いが続いていました。小山氏はとうとう、後の鎌倉公方である足利氏満の治世下、宇都宮氏を牽制しながら自らの勢力を拡大させようとしました。

しかし、天授3年（1377年）には氏満が宇都宮基綱に対し、棟別銭を命じるなど、干渉を加えたことで両氏の緊張関係が一層高まりました。また、氏満が戦国の治安を強化しようとする中、小山義政は宇都宮氏を排除することで自らの抑圧的な立場を強化しようと試みます。

小山義政の乱

やがて、1380年5月16日に小山義政は河内郡裳原で宇都宮軍と交戦し、宇都宮基綱を討ち取ることに成功しました。だが、小山軍も大きな損失を被り、その後氏満は義政の追討を決定しました。このようにして鎌倉府側は、小山氏に対する攻撃を強化し、義政が降伏する意向を示したものの、氏満の要求には応じませんでした。

その後、義政は何度も降伏の意志を示しながらも、条件に従わず再び抵抗を続けます。ついには、義政は祇園城に移り、最終的には降伏することを決定。しかし、まだ抵抗の余地を残し、逃げる計画を立てましたが、最終的には自害してしまいます。

小山若犬丸の乱

次いで、小山義政の跡を継いだ若犬丸は、勢力を再編成し反抗を試みました。元中3年に若犬丸が急に小山で決起し、祇園城を占拠する事態が発生すると、氏満は対応に迫られました。しかしこの反乱は長続きせず、若犬丸は何度も逃亡を繰り返します。しばしば捕らえられそうになるも、巧みに脱出を果たしました。

最後には、若犬丸は奥州に逃亡し南朝勢力と連携したものの、最終的には応永4年に自身の命を絶つこととなります。この結果、小山氏の嫡流は完全に途絶えることとなりました。

小山氏の再興

義政の死後、一時期は木戸法季が下野守護として管理することになりました。しかし、若犬丸が再度動き出す可能性を懸念したため、結城氏を新たに守護とすることが決定され、小山氏の再興が試みられます。足利氏は新たな体制を整える中、忠実な勢力として小山氏の再生を模索することとなります。

この一連の出来事は鎌倉府と小山氏、さらには幕府との間の複雑な権力闘争を示すものであり、最終的に小山氏の滅亡は関東地方における権力の平衡を大きく変えることとなりました。この時代の動きは後の歴史にも大きな影響を与え、流動的な関東の状況が長期にわたって求められることになったことが窺えます。

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