小山町 (町田市)

町田市小山町：多摩丘陵の南斜面と境川の織りなす歴史と現在

東京都町田市小山町は、神奈川県相模原市に隣接する、東西に細長い町です。丁目がなく、単独町名として存在しています。郵便番号は194-0212です。

小山町の地理と歴史的変遷

小山町は、町田市北西部に位置し、東は常盤町、西は相原町、南は神奈川県相模原市（緑区橋本、緑区東橋本、中央区宮下本町、中央区上矢部）、北は小山ヶ丘と接しています。かつては現在の小山ヶ丘の大部分を包含し、多摩丘陵の尾根筋を境に、上小山田町や八王子市の鑓水などに隣接していました。しかし、1990年の京王相模原線開通を契機に、町域全体で宅地化が進み、現在の小山町は丘陵の南斜面と境川北岸の細長い平地、主に町田街道沿いの区域となっています。

古くからの集落は町田街道沿いに形成され、境川沿いは水田が広がっていました。丘陵地は森林や畑地として利用されていましたが、近年は小規模な宅地化が進み、農地は減少しています。これは、多摩ニュータウンのような大規模計画的な開発とは対照的です。

境川を挟んだ南側の神奈川県相模原市側は、かつては大字小山と呼ばれていました。1960年代後半以降に住居表示が実施されるまでは、JR横浜線付近まで広大な区域を占めていましたが、住居表示による新町名の編成で区域が縮小し、現在は町田市小山町とは直接隣接していません。

16世紀末に境川が武蔵国と相模国の境界として確定するまでは、小山町の地域の一部は相模国高座郡に属していました。その後、境川の北側が武蔵国多摩郡小山村となり、南側にも相模国高座郡小山村が成立しました。このことから、町田市小山町は「日向小山」、相模原市側（かつての小山）は「日陰小山」と呼ばれていました。

地名は、横山党小山氏の居館があったことに由来するとされています。隣接する小山田との関連性は明らかではありません。

境界変更と飛び地

小山町と相模原市の間では、2016年までに7回の境界変更が行われています。境川の旧流路が境界だったため、県境は蛇行していましたが、境界変更によって、町田市側にはみ出していた地域を町田市に、相模原市側にはみ出していた地域を相模原市に編入しました。ただし、地権者の同意が得られない地域もあり、完全に境界が整理されたわけではありません。また、2020年の境界変更で、大正橋付近にあった相模原市の飛び地は解消されましたが、相模原市側に残る町田市の小さな飛び地が2か所残っています。

小山町の交通、教育、施設

小山町へのアクセスは、最寄りの多摩境駅、または橋本駅からのバスが利用できます。神奈川中央交通や神奈中タクシーが、町田街道を経由して橋本駅や町田駅を結ぶ路線バスを運行しています。

教育施設としては町田市立小山小学校があり、周辺には商業施設、公園、寺院、神社などが点在しています。

まとめ

小山町は、歴史と自然、そして現代社会が複雑に絡み合った、興味深い町です。多摩丘陵の南斜面と境川という自然環境、そして隣接する相模原市との歴史的なつながり、そして現代の生活空間が一体となって、独特の地域性を形成しています。今後も、歴史と現在が織りなす小山町の変化に注目していきたいです。

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