小幡甚三郎

小幡甚三郎

小幡甚三郎（おばた じんざぶろう）は、弘化2年12月5日（1846年1月2日）に生まれ、明治6年（1873年）1月29日に26歳で亡くなった、幕末・明治初期の教育者であり、中津藩士です。兄に小幡篤次郎がいます。

生涯

小幡甚三郎は、中津藩の上級藩士である小幡家に生まれました。藩校・進脩館では、兄と共に塾頭を務めるなど、幼少の頃から学問に秀でていました。

文久4年（1864年）、福澤諭吉が江戸から帰国した際に、共に江戸へ出て、鉄砲洲の中津藩邸にあった慶應義塾で蘭学を学びました。その非凡な才能はすぐに認められ、開成所教授手伝並出役に抜擢されます。

明治4年（1871年）には、慶應義塾が芝新銭座から三田に移転するのに伴い、教授法の整備や会計事務など、運営に尽力しました。

また、明治3年（1870年）には文部省に入省し、『西洋学校軌範』を著しました。この学校制度案は、明治5年（1872年）に明治政府が学制を整備する際に採用され、日本の近代教育の基礎を築く上で重要な役割を果たしました。

その後、藩主・奥平昌邁に随行して米国に渡りましたが、留学中に急病で客死しました。彼の遺体は、日下部太郎と同じ墓地であるウィロー・グローブ墓地（英:Willow Grove Cemetery）に埋葬されました。

業績

小幡甚三郎は、教育者としてだけでなく、語学にも長けており、慶應4年（1868年）には日本初のイディオム集である『英文熟語集』を編纂しました。これは、当時の日本の英語教育において画期的な業績でした。

また、文部省では、日本における近代学校制度の確立に貢献し、教育者としての手腕を発揮しました。

著書

『英国軍艦刑法』
『西洋学校軌範』
『洋兵明艦』
『新砲操練』

まとめ

小幡甚三郎は、若くして亡くなりましたが、教育者として、また語学者として、日本の近代化に大きな貢献をしました。彼の功績は、今もなお語り継がれています。

参考文献

* 日蘭学会『洋学史事典』雄松堂〈叢書〉、1984年。

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