小早川実義

小早川実義（こばやかわ さねよし）

小早川実義は、南北朝時代に生きた武将であり、竹原小早川氏の第6代当主として知られています。彼は小早川重宗の嫡男として生まれ、激動の時代を駆け抜けました。

生涯

実義は観応3年/正平7年（1352年）に勃発した観応の擾乱において、足利尊氏・義詮方として参戦し、山城国男山（現在の京都府八幡市にある石清水八幡宮）で行われた八幡合戦に参加しました。この戦いは、南北朝時代の動乱を象徴する出来事の一つであり、実義もその渦中に身を投じたのです。

文和2年/正平8年（1353年）12月には、幕府の命令を受け、安芸国入野城合戦に参加し、その武勇を発揮して戦功を挙げました。入野城合戦の詳細は史料に乏しいものの、実義がこの戦いで重要な役割を果たしたことは間違いありません。

貞治3年/正平19年（1364年）、実義は安芸国西条合戦において討ち死にを遂げました。彼の死は、竹原小早川氏にとって大きな損失であったと考えられます。西条合戦もまた、南北朝時代の安芸国における勢力争いの一環であり、小早川氏が置かれた厳しい状況を物語っています。

小早川氏と南北朝時代

小早川氏は、鎌倉時代から戦国時代にかけて安芸国に勢力を持った一族です。南北朝時代には、小早川氏もまた、南朝と北朝の間で複雑な立場を強いられました。実義の時代は、まさにその動乱期であり、彼は一族の存続のために戦い続けたのです。

参考文献

今井尭ほか編『日本史総覧』 3（中世 2）、児玉幸多・小西四郎・竹内理三監修、新人物往来社、1984年3月。
東京帝国大学文学部史料編纂所編『大日本古文書』 家わけ十一ノ一：小早川家文書之1、東京帝国大学、1927年。
東京帝国大学文学部史料編纂所編『大日本古文書』 家わけ十一ノ二：小早川家文書之2、東京帝国大学、1927年。

関連項目

小早川氏

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