小木港 (石川県)

小木港（おぎこう）

小木港は、石川県鳳珠郡能登町に位置する地方港湾であり、石川県が港湾管理者となっています。能登小木港とも呼ばれ、日本海側屈指の漁業基地として重要な役割を果たしています。

地理

小木港は、日和山大地と御船崎に囲まれた、入り江の多いリアス式海岸に位置しています。九十九湾、小木、本小木の3つの入り江で構成されており、古代から沿岸航路の泊地として知られる天然の良港です。しかし、後背地が狭いため、市街地は凝灰岩の崖下を埋め立てて造成されました。

歴史

小木港の歴史は古く、1872年（明治5年）には北陸地方で初めてブリ大敷網漁法が導入され、北海道への出稼ぎ漁業が増加しました。太平洋戦争後には、湾口の堆の爆破や埋立てなどの拡張工事が行われ、小木新港が整備されました。1952年（昭和27年）には、日本海中部海域でのサケ・マス漁が始まり、大和堆などイカ釣りの漁業基地としての地位を確立しました。

1976年度（昭和51年度）からは、小木港湾整備事業計画が総事業費60億円で実施され、新町港口の御船崎堆を埋め立てて、水産会館、大型冷蔵庫、油槽所などが建設されました。また、泊地、防波堤、岸壁などの港湾施設も整備され、漁業の発展に大きく貢献しました。

1992年（平成4年）時点での登録漁船は160隻、漁獲量は19,030tに達しました。1995年（平成7年）の入港隻数は13,990隻、取扱高は78,000tで、特にスルメイカの取扱量が多いことで知られています。1990年（平成2年）からは小木港マリンタウンプロジェクト計画が始まり、港を活かした街づくりが継続的に進められています。

2013年（平成25年）5月3日には、港一帯がみなとオアシス小木として登録を受け、地域住民や観光客にとって憩いの場となっています。2020年（令和2年）6月20日には、小木港のイカ漁の紹介施設も兼ねた観光物産施設「のと九十九湾観光交流センター」（愛称は「イカの駅つくモール」）が開業し、新たな観光拠点として注目されています。

小木港は、豊かな漁場と歴史的な背景、そして地域住民の努力によって、現在も発展を続けている港です。

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