小机衆

小机衆について

小机衆（こずくえしゅう）は、後北条氏に属する家臣団の一つであり、南武蔵地域を中心に活動した集団です。その名は、小机城が本拠地であったことに由来しています。小机衆は、15世紀初頭から16世紀にかけて、武蔵国における戦略的な役割を果たしました。

歴史的背景

小机衆が登場するのは、1522年から1524年の間であり、当時の伊勢氏は北条氏に改姓し、地域の支配を強化していました。小机衆は、小机郷を中心に29の武士団を形成し、江戸城周辺や旧扇谷上杉勢力である太田氏との抗争に備えていました。

この軍団をまとめたのは、北条氏綱の信任を受けていた五大老の一人、笠原信為です。彼の指導のもと、小机城主となった氏尭、北条氏政の弟である三郎、そして氏光などの家臣が共に活動しました。笠原氏は、城代として小机衆を統括し続けました。

天正18年（1590年）には、豊臣秀吉の関東侵攻が始まります。この際、小机城主であった氏光は小田原城に籠城し、小机衆はその防衛戦に参加しましたが、結局、小机城は放棄されました。

小机衆の役割

小机衆は、後北条氏が武蔵国での勢力を拡大するための前線として機能していました。特に江戸、葛西、河越などの地域で起こる不安定な状況に対として、小田原城や玉縄城との連絡を迅速に行う役割を担っていました。

小机城からは、狼煙や鐘、旗を用いた連絡網が設けられ、中原街道を含む重要な通信路が確保されていました。この連絡体制は地域の防衛や戦略的な動きをスムーズにするために欠かせないものでした。

家臣団の編成

小机衆は、29人の主要な家臣から成り立っており、彼らはいずれも地域の戦力を担っていました。以下は、小田原衆所領役帳に記載された主な家臣の名前です：

• - 笠原氏
• - 曽弥外記
• - 神田次郎左衛門
• - 市野助太郎
• - 増田満栄
• - 座間豊後
• - 村嶋豊左衛門
• - 二宮義忠
• - 岩本和泉
• - 高田玄蕃
• - 中田加賀
• - 長谷川為久
• - 沼上出羽
• - 石原靱負
• - 大曾根飛騨守

これらの家臣は、小机衆の活動において重要な役割を果たし、地域の防衛と後北条氏の拡大に寄与しました。彼らの連携により、地域の安全を確保しつつ、敵に対抗する力を育んでいきました。

結論

小机衆は、後北条氏の政権時代における重要な軍団であり、南武蔵地域の防衛と通信網の構築を担っていました。それぞれの家臣が力を合わせ、地域の安定を図った功績は、後の歴史においても語り継がれています。

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