小村武

小村武（こむら たけし）

1939年9月2日生まれの日本の官僚。
大蔵事務次官、日本政策投資銀行総裁などを歴任。

生い立ちと学歴

和歌山県出身で、県立星林高等学校を経て東京大学法学部第2類（公法コース）を卒業。

大蔵省入省から事務次官へ

1963年に大蔵省に入省。同期には、日高壮平、中平幸典、西村吉正などがいた。

経済企画庁長官官房長を経て、斎藤次郎次官の下で大臣官房長を務め、主計局の「斎藤組」の筆頭と目された。

その後、主計局長を経て、1997年7月に大蔵事務次官に就任。

大蔵省接待汚職事件と辞任

事務次官就任直後に大蔵省接待汚職事件が発覚。

三塚博大蔵大臣が辞任する中、武藤敏郎官房長と共に留任。

しかし、直後に金融検査官の自殺が発生し、橋本龍太郎首相兼蔵相により更迭され辞任。

事務次官在任期間は6ヶ月と、戦後最短となった。

退官後の活動

退官後は、財政金融研究所顧問を経て、2001年から2007年まで日本政策投資銀行総裁を務めた。

2007年には全国盲ろう者協会会長に就任。

2008年からは、ソルト・サイエンス研究財団理事長、商船三井社外取締役、東京海上日動火災保険顧問など、複数の役員を兼務。

2020年には、瑞宝重光章を受章。

略歴

1962年：国家公務員採用上級甲種試験（法律）合格
1963年3月：東京大学法学部第2類（公法コース）卒業
1963年4月：大蔵省入省（主計局総務課）
1964年6月：大蔵省主計局法規課
1965年5月：総理府内閣総理大臣官房臨時在外財産問題調査室
1968年7月：八幡浜税務署長
1969年7月：名古屋中村税務署長
1970年7月：沖縄・北方対策庁調整部参事官補佐
1972年7月：大蔵省大臣官房秘書課長補佐（調査）
1973年7月：大蔵省主計局主計官補佐（厚生第四、第五係主査）
1978年7月：大蔵省大臣官房企画官兼大臣官房調査企画課
1979年7月：環境庁企画調整局環境保健部保健企画課長
1981年7月：大蔵省大臣官房付
1981年7月：大蔵省主計局主計企画官（調整担当）
1982年6月：大蔵省主計局主計官
1985年6月：大蔵省主計局法規課長
1987年6月：大蔵省主計局総務課長
1988年6月：東京税関長
1989年6月：大蔵省主計局次長（末席）兼内閣官房内閣内政審議室内閣審議官
1990年6月：大蔵省主計局次長（次席）兼内閣官房内閣内政審議室内閣審議官
1991年6月：大蔵省主計局次長（筆頭）兼内閣官房内閣内政審議室内閣審議官
1992年6月：経済企画庁長官官房長
1993年6月：大蔵省大臣官房長
1995年5月：大蔵省主計局長
1997年7月：大蔵事務次官
1998年1月：退官
1998年2月：大蔵省財政金融研究所顧問
2001年1月：日本政策投資銀行総裁
2003年10月：日本政策投資銀行総裁再任
2007年9月：日本政策投資銀行総裁退任
2008年4月：財団法人ソルト・サイエンス研究財団理事長
2008年6月：安田倉庫株式会社監査役
2008年6月：株式会社商船三井取締役
2023年6月：一般社団法人日本倶楽部会長

著書

『実務会計法』（石田久和と共著）（新日本法規出版、1987年）
『予算と財政法〔4訂版〕』（新日本法規出版、2008年）

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