小松勇五郎

小松勇五郎

小松勇五郎（こまつ ゆうごろう、1920年9月18日 - 1995年12月23日）は、昭和期の通産官僚、実業家。広島県出身。

経歴

呉第一中学、広島高等学校文科乙類を経て、東京帝国大学法学部を卒業。1944年に軍需省へ入省し、整備局に配属されました。戦後、通商産業省（現：経済産業省）に移り、広島通産局、鉄鋼局鉄鋼政策課、企業局企業第一課などを歴任。1953年からは外務省経済局スターリング課に出向し、1955年から1960年まで在西ドイツ大使館に一等書記官としてボンに駐在しました。

西ドイツからの帰国後、ヨーロッパ経済の実情をまとめた『小松レポート』を発表し、その論客ぶりで注目を集めました。その後、通商局国際経済課長、重工業局産業機械課長、企業局企業第一課長、大臣官房総務課長、通商局国際経済部長（1968年～1971年）、官房長（1971年6月～1972年5月）、通商局長（1972年6月～）を歴任。通商局長時代には、局が通商政策局へと改組され、初代の産業政策局長（1973年7月～）に就任しました。1974年11月には事務次官に就任し、1976年7月まで務めました。

事務次官時代には、日米繊維交渉を担当。また、鉄鋼同調値上げを巡り公正取引委員会と対立し、「けんか勇五郎」の異名を取りました。地元に本社を置く自動車メーカー、マツダの再建にも尽力しました。しかし、マツダ再建においては、融資元である住友銀行出身者の役員派遣を嫌がる当時の松田耕平社長を最終的に受諾させ、1977年12月には代表権のない会長に退かせるなど、大蔵省銀行局の力を見せつける形となりました。

退官後

退官後は、興銀顧問を経て1978年に神戸製鋼副社長に就任。その後、副会長、会長を歴任しました。

郷里広島への貢献としては、竹下虎之助広島県知事が県勢活性化のために組織した「広島県産業懇話会」のメンバーを務め、東京で活躍する広島出身の経済人として知恵を貸しました。

1995年12月23日、死去。75歳でした。

著書

『西ドイツの自由化対策』重工業新聞社、1962年。
『EEC対策考』重工業新聞社、1962年。
『ガットの知識』日本経済新聞社、1963年。
『日本貿易図説』東洋経済新報社、1964年。

参考文献

* 『朝日人物事典』朝日新聞社、1990年12月。ISBN 978-4023400511。

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