竹下虎之助

竹下虎之助：地方自治に尽力した広島県知事

竹下虎之助（たけした とらのすけ、1924年8月6日 - 2008年12月16日）は、日本の官僚、そして政治家として活躍しました。彼は広島県知事を3期に渡り務め、県政の発展に大きく貢献しました。島根県大田市出身。

生い立ちと初期のキャリア

竹下虎之助は、松江高等学校 (旧制)を経て京都大学法学部を卒業しました。1947年に自治省に入庁しましたが、本省勤務をすることなく、地方自治体での職務に専念しました。島根県主査や香川県での勤務を経て、1960年には広島県地方課長に就任。その後、総務部長、副知事といった要職を歴任しました。故郷の島根県知事や広島市長への擁立の話もありましたが、いずれも固辞しています。

広島県知事として

1981年、竹下虎之助は広島県知事選挙に立候補し、初当選を果たします。これは、3期目を目指していた宮澤弘前知事が参議院の補欠選挙に急遽立候補したことを受けたものでした。竹下虎之助は、1993年まで3期12年間にわたり広島県知事を務め、その間、広島空港建設促進をはじめとする公共施設整備や、中国四川省との友好提携などに尽力しました。

Jリーグ参入への貢献

竹下虎之助の功績として特筆されるのは、Jリーグへの参入に消極的だったマツダに対し、住友銀行の巽外夫頭取を通じて参加を要請したことです。1991年1月22日夕刻に古田徳昌マツダ社長との会談を行い、翌23日、マツダはリーグ加入の方向を表明。この結果、マツダサッカークラブを母体とするサンフレッチェ広島が誕生し、広島のスポーツ界に大きな影響を与えました。

知事退任後

4期目については、自ら長期政権の弊害を懸念し、立候補しませんでした。知事退任後は、県社会福祉協議会会長、顧問などを務めました。また、学校法人修道学園（広島修道大学・修道中学校・修道高等学校を運営）の理事長を2000年6月まで務め、教育分野にも貢献しました。

八者合意とその影響

1985年には、同和団体や日教組下部組織らと「八者合意」を認めました。しかし、この合意によって広島県の教育に同和団体や日教組の干渉が強まり、「広島県での同和解放同盟による教育介入」という問題を引き起こしてしまいました。

死去

竹下虎之助は、2008年12月16日午前0時5分、広島市南区にある県立広島病院で亜急性腎不全のため死去しました。84歳でした。

人物

中央政界とも太いパイプで結ばれており、同郷（島根県）で同年齢の竹下登元首相（学年は竹下登が一つ上）とも親密な関係にありました。ただし、同姓ではあるものの、縁戚関係はありませんでした。

本人の話によれば、「虎之助」という名前は、生誕直後身体が弱く育つ見込みがないとして、せめて名前だけでも強い名前をつけてもらった親心によるものだそうです（ちなみに生まれた歳の干支は子）。

著書

* 『地方自治とは何か―竹下虎之助回顧録』広島大学文書館編、現代史料出版、2006年 ISBN 4877851399

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