小林カツ代

小林カツ代：家庭料理を豊かにした料理研究家

小林カツ代（1937年10月24日 - 2014年1月23日）は、昭和から平成にかけて活躍した日本の料理研究家、エッセイストです。彼女は、日々の食卓を豊かにするための料理を提案し続けました。生涯で200冊を超える著書を出版し、そのレシピは多くの家庭で愛用されました。また、神楽坂女声合唱団の創設者兼団長としても知られています。

人物

小林カツ代は、料理研究家として、簡単でありながらも手抜きではない、家庭料理のあり方を追求しました。彼女のレシピは、忙しい現代人でも手軽に作れるように工夫されており、多くの人々に支持されました。料理本の出版に加えて、台所用雑貨や食器のプロデュース、講演活動なども積極的に行い、食を通じた豊かなライフスタイルを提案しました。

長男のケンタロウもまた、料理研究家として活躍しています。小林カツ代は、選択的夫婦別姓制度の実現を目指すmネット(民法改正情報ネットワーク)の呼びかけ人でもあり、社会的な活動にも関わっていました。

経歴

1937年、大阪市で製菓材料の卸問屋を営む家庭に生まれました。幼少の頃から、両親に連れられて様々な料理店を訪れたことで、舌が肥えていたといいます。しかし、子供の頃は絵画や漫画に興味を持ち、母親から料理を教わることはほとんどありませんでした。小学校時代は虚弱体質だったため、学校を休みがちでしたが、転校先の小学校では優秀な成績を収めました。中学生時代には、漫画雑誌に漫画を投稿し、後の漫画家である石ノ森章太郎と交流がありました。帝塚山学院短期大学では国文学を専攻しました。

結婚後、料理の腕前は決して良いとは言えませんでしたが、一念発起して母親や近隣の料理上手な人々に教えを請い、料理の腕を磨きました。1963年頃、テレビのワイドショーへの投書がきっかけで番組に出演し、料理を披露したことが、料理研究家としての活動の始まりとなりました。その後、大阪ローカルのレギュラー番組を持つなど、活躍の場を広げました。1968年に夫の転勤で埼玉県へ引っ越した後、デザイン学校に入学しますが、すぐに廃校となってしまいます。1970年にはエッセイストとしてもデビューし、デザイン学校での出来事を綴った『ミセス漫画学校へ行く』は、NHK銀河ドラマの原作となりました。

1979年から26年間、「きょうの料理」をはじめとするNHKの料理番組にレギュラー出演し、料理研究家としての地位を確立しました。都内で生活雑貨店や喫茶店も経営し、1990年にはデザインした家庭料理の器「kiai」がグッドデザイン賞を受賞しました。1994年には、料理対決番組「料理の鉄人」に出演し、鉄人・陳建一に勝利するというエピソードも持っています。1995年の阪神・淡路大震災では、被災者支援活動にも尽力しました。2000年には、英語版の料理本が国際的な賞を受賞しました。晩年は、大阪信愛女学院短期大学の客員教授を務めました。

2005年にくも膜下出血を発症し、その後は療養生活を送っていましたが、2014年1月23日に多臓器不全のため逝去しました。

思想・信条

政治的には日本共産党の支持者であり、元衆議院議長の土井たか子とは親友でした。平和運動にも関心を持ち、「マガジン9条」の発起人の一人となりました。また、キリスト教系の雑誌にエッセイを連載するなど、宗教的な関心も持っていました。

著作

小林カツ代は、数多くの料理本やエッセイを執筆しました。彼女の著作は、家庭料理の普及に大きく貢献し、多くの人々に影響を与えました。

ミセス漫画学校へ行く
お料理さんこんにちは
小林カツ代のらくらくクッキング
アバウト英語で世界まるかじり
カツ代の台所
小林カツ代のお料理入門

テレビ出演

きょうの料理
料理の鉄人
ためしてガッテン
ワイド!スクランブル

小林カツ代は、その親しみやすい人柄と、誰でも作れる美味しい家庭料理のレシピで、多くの人々に愛されました。彼女の料理に対する情熱と、食卓を大切にする姿勢は、これからも多くの人々に受け継がれていくでしょう。

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