小林末男

小林末男について

小林末男（こばやし すえお）は、1928年（昭和3年）に生まれた日本の経営学者、経済学者です。経済学博士の学位を持ち、経営管理、特に組織における人間の行動に着目した行動科学的組織論を専門としています。

経歴

小林氏は、北海道有珠郡壮瞥町で生まれ、北海道庁立帯広中学校（旧制）を経て、北海道勇払郡野安部太小学校で代用教員を務めました。その後、上京し学習院大学に進学しますが、1954年に中退し、大正製薬に入社。その後、法政大学経済学部を卒業し、同大学院経済学研究科を修了しました。

1963年には産業能率短期大学能率科の講師となり、教育者としてのキャリアをスタートさせます。その後、1968年に拓殖大学商学部の助教授、1972年には同大学の教授に就任。1977年には、同大学院商学研究科の教授に就任しました。1979年には、拓殖大学経理研究所所長、1981年には商学部長も務めています。その後、拓殖大学の理事も歴任しました。1991年には、拓殖大学北海道短期大学の学長に就任しますが、同年に退任し、拓殖大学を退職。拓殖大学名誉教授の称号を得ています。その後、産能大学経営情報学部の教授として教鞭をとり、2003年に退職しました。

退職後も、学校法人秋草学園の理事、学校法人産業能率大学の監事などの要職を歴任。さらに、海外の大学でも教鞭をとり、南京大学兼職教授、長春大学客座教授、バークレー科学大学USL JRS首席学長、サンフランシスコ州立大学総長付最高学術メンバー及び特認教授を務めました。

研究内容と主な著書

小林氏の研究は、経営管理、特に組織論、リーダーシップ論、コミュニケーション論に焦点を当てています。組織における人間の行動を分析し、より効果的な組織運営の方法を探求しています。

主な著書には以下のようなものがあります。

『企業内コミュニケーションの管理 : 断絶と不信をなくすために』（東洋経済新報社、1972年）

企業内のコミュニケーションの重要性を説き、断絶や不信をなくすための具体的な方法を提示しています。

『リーダーシップの開発と実践 : 組織目標の達成と自己実現のために』（東洋経済新報社、1976年）

リーダーシップの重要性を強調し、組織目標の達成と個人の成長を両立させるためのリーダーシップ論を展開しています。

『経営行動科学辞典』（編著、創成社、1987年）

経営行動科学に関する用語を網羅的に解説した辞典です。経営学の研究者や実務家にとって、重要な参考資料となっています。

『新・実践的経営管理論』（千倉書房、1997年）

現代の経営環境に対応した実践的な経営管理論を展開しています。理論だけでなく、具体的な事例やケーススタディも紹介し、経営の実務に役立つ内容となっています。

まとめ

小林末男氏は、長年にわたり教育者として、また経営学者として、日本の経営学の発展に貢献してきました。行動科学的組織論を専門とし、組織運営やリーダーシップに関する多くの著書を通じて、理論と実践の両面から経営のあり方を追求し、人材育成にも尽力しました。彼の研究と業績は、今日の組織論やリーダーシップ論の研究においても重要な基礎となっています。

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