有珠郡

有珠郡について

有珠郡（うすぐん）は北海道の胆振総合振興局に属する地域です。この郡は、人口2,354人、面積205.01km²という広さで、人口密度は1平方キロメートルあたり11.5人と、比較的人口が少ない地域です。現在、有珠郡は壮瞥町（そうべつちょう）という1つの町から成り立っています。

郡の歴史

有珠郡の歴史は、1879年（明治12年）に行政区画として正式に発足したことから始まります。初めて郡が設置された時、地域には伊達市や虻田[[郡]]洞爺湖町の一部も含まれていました。

平安時代から江戸時代

この地域は、平安時代の天長3年（826年）に、比叡山の僧・円仁によって開山された有珠善光寺の伝説が残っています。このお寺は、江戸時代に蝦夷三官寺の一つとして認識されていました。また、江戸時代には松前藩によってウスという場所が開かれ、東蝦夷地の一部として発展しました。

その後、陸上交通が整備され、渡島国の箱館から道東や千島国に至る道が通じるようになりました。寛政年間には大臼山神社の前身である弁財天蛭子宮が設けられるなど、宗教的な発展も見られました。また、有珠山は火山としても有名で、江戸時代にも多くの噴火が記録されています。これにより、周辺の集落が被害を受けたこともありました。1869年の戊辰戦争の終結後、この地域に有珠郡が設置されました。

郡発足からの変遷

明治2年、北海道における国郡里制が施行され、有珠郡が正式に設立されました。その後、さまざまな行政区画の変更がありましたが、明治12年には郡区町村編制法が施行され、現在の有珠郡が形作られました。そして、1882年には札幌県の管轄下となり、多くの地方自治が進められました。

明治30年には、地域内の村が合併し壮瞥村が誕生し、その後は有珠村や稀府村なども成立しました。大正時代には、壮瞥村が町制を施行し壮瞥町となりましたが、同時期に他の村も分村が行われ、様々な変遷を経ています。

昭和に入ると、町村制がいくつかの改革を経て整えられたり、村が町に昇格するなどの発展が見られました。具体的には、1962年に壮瞥村が町制施行し壮瞥町が成立しました。しかし1972年には伊達町が市制施行し、それに伴って郡から離れました。2006年には大滝村が伊達市に編入され、現在の形となっています。

現在の有珠郡

現在、有珠郡は壮瞥町のみが残る形となっています。地域は美しい自然環境に囲まれており、特に有珠山や洞爺湖などの観光スポットがあります。都市と自然が共存するこの地域は、訪れる人々に過去の歴史を感じさせられる場所となっています。

有珠郡の歴史は、自然の変化と人々の暮らしが交錯する物語でもあります。地域の文化や伝統が色濃く残る中、観光資源としての魅力も引き続き高まり続けています。

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