小林與三次

小林與三次の生涯

小林與三次（こばやし よそじ）は、1913年7月23日に富山県で生まれ、1999年12月30日に惜しまれつつこの世を去った日本の官僚及び実業家です。内務・自治の分野での功績を持ち、読売グループの重要な地位も歴任した彼の生涯は、日本のメディアと行政の発展に大きな影響を与えました。

初期の歩みと内務官僚時代

小林は、正力家の土建資材を運ぶイカダ舟の船頭の三男として生まれました。彼は高岡中学校、第四高等学校を経て、1935年に東京帝国大学法学部を卒業し、内務省に入省します。同期には後の著名な政治家や軍人たちが名を連ねており、小林自身もその中で優れた成績を収めていました。彼は熊本県警務課長や京都府警防課長などの要職を経て、戦中も内務省での業務に従事し、敗戦を迎えます。

敗戦後には、連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）に頻繁に通い、公職追放の状況を回避するための措置を講じました。彼は地方の役人たちが路頭に迷うことを懸念し、解職を前に彼らに退職金を支給しました。この行動がGHQの目に留まり、小林は一時的に異動を余儀なくされました。1948年には、内事局の官房自治課長として新たな役割を担い、その後は建設省の文書課長としても重要なポストで活躍します。

自治庁と読売グループへの道

1952年に自治庁行政部長就任を果たし、44歳で自治事務次官となります。在任中は自治庁の省昇格に尽力し、1963年には住宅金融公庫副総裁となりました。しかし、その後の政界入りの噂や東京都副知事就任の話も持ち上がりましたが、彼はそれを断念します。

1965年7月、小林は読売新聞社に入社し、主筆兼論説委員長に就任。翌年には、経営危機にある日本テレビの社長に招かれ、その経営を立て直す責任を担います。小林が務めた時期に、読売新聞社は様々な改革とともにメディアとしての地位を確立します。特に1972年に北朝鮮を訪問し、金日成との会談を実現するなど、外交面でも注目を集めました。

最後の年と遺産

1981年からは読売新聞社にて社長職に就き、1991年には名誉会長となるまでの重要な役割を果たしました。彼の経営手腕は、読売グループを日本のメディア界での巨人へと成長させました。また、彼は日本新聞協会や日本民間放送連盟の会長なども務めています。

1999年、がん性腹膜炎で他界するまで、彼の人生は日本のメディアと行政におけるシンボル的存在として貴重な影響を与え続けました。彼の業績や人々との絆、そして政治・経済の発展に貢献した姿勢は、今も多くの人に語り継がれています。

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