小栗忠政

小栗忠政（おぐり ただまさ）

小栗忠政は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、旗本です。天文24年（1555年）に生まれ、元和2年（1616年）に62歳で没しました。父は小栗吉忠。内政手腕に長けた父とは異なり、忠政は武勇に優れた武将として名を馳せました。

生涯

13歳で徳川家康に小姓として仕え、元亀元年（1570年）の姉川の戦いでは、家康の傍で敵兵の急襲を防ぎ、その奮戦ぶりを家康に賞賛されました。褒美として名槍を与えられたという記録が残っています。合戦の度に一番槍の功名を挙げたことから、それまでの通称であった「又市」に「又もや一番槍」の意味を込めて「又一」の名を賜ったと伝えられています。

寛政重修諸家譜には、あまりの奮戦ぶりに、白地に黒の五輪塔の指物が血に染まり、赤地のように見えたと記されています。しかし、猪突猛進な性格から独断専行や軍律違反を犯し、家康の勘気を被り、大須賀康高の下に預けられたこともありました。

「小栗党」と呼ばれた一族郎党を率い、駿河侵攻、小牧・長久手の戦い、関ヶ原の戦いなどで多くの戦功を挙げました。その功績により、上野国・武蔵国・下総国に2550石の領地を与えられ、旗本として武蔵国足立郡大成（現在の埼玉県さいたま市大宮区大成町）に入りました。

大坂の陣にも出陣し、夏の陣で鉄砲傷を負い、それがもとで翌年江戸にて亡くなりました。享年62歳。

大成領主として

忠政は大成領主となると、付近にあった「普門院」を復興させ、小栗家の菩提寺としました。現在も普門院には小栗家の墓所が残り、30基の墓碑が整然と並んでいます。

子孫

子に小栗政信、小栗信由、小栗信友らがいます。直系の子孫には、幕末に活躍した小栗忠順がいます。

参考文献

『寛政重脩諸家譜』第1輯,233頁,國民圖書,1922
『小栗又一』 - コトバンク

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