小泉明 (経済学者)

小泉明（こいずみ あきら）

小泉明は、1913年2月10日に神奈川県横浜市で生まれ、1977年2月8日に63歳で没した日本の経済学者です。ケインズ経済学と国際金融論を専門とし、一橋大学の第7代学長を務めました。

生涯

1938年に東京商科大学（現在の一橋大学）を卒業。在学中は山口茂ゼミに所属し、卒業後には第一生命保険に入社しましたが、1940年に退職し、母校の東京商科大学の助手として教鞭を執り始めました。その後、助教授、そして戦後には一橋大学商学部の助教授、1958年に教授へと昇進しました。1962年には「管理通貨の研究」で経済学博士の学位を取得しています。

1966年には商学部長を兼任し、1971年には一橋大学附属図書館長も兼任しました。1975年には一橋大学の学長に就任し、大学運営にも大きく貢献しました。

学術的貢献

小泉明は、ケインズ経済学を深く研究し、その理論を日本に紹介・普及させる上で重要な役割を果たしました。また、国際金融論においても、その専門知識を活かして多くの研究成果を発表しました。

指導学生には、吉野昌甫（一橋大学名誉教授）、村本孜（成城大学名誉教授）、稲垣寛（元東京都立大学教授）など、多くの著名な経済学者を輩出しました。

死去

1976年12月に風邪をこじらせ、人間ドックも兼ねて聖マリアンナ医科大学病院に入院しましたが、容態は回復せず、1977年2月8日に呼吸器不全のため同病院で亡くなりました。その功績から、没後に正三位勲二等旭日重光章が贈られました。

主な著書

ケインズ「一般理論」 春秋社 1948
近代経済学辞典 山田雄三,篠原三代平共編 春秋社 1954
近代経済学基本用語辞典 久武雅夫共編著 春秋社 1956
交換方程式と現金残高方程式 高橋泰蔵共著 勁草書房 1958
マネー・フロー その理論と応用 至誠堂 1960
きょうの経済学 紅林茂夫共著 日本放送出版協会 1964
日本経済大系 篠原三代平共編 青林書院新社 1964-65
近代経済学用語辞典 久武雅夫,長沢惟恭共編 広文社 1967
金融論講義 青林書院新社 1967
日本経済を見る眼 宮崎義一共編 東洋経済新報社 1967
国際経済論講義 相原光共編 青林書院新社 1968
金融論の基本問題 長沢惟恭共編 東洋経済新報社 1969
ケインズ一般理論研究 第1-3 宮沢健一共編 筑摩書房 1970
円の実力 館龍一郎共編 日本放送出版協会 1970
ケインズ経済学講義 青林書院新社 1970
体系金融実務事典 堀内仁共編 青林書院新社 1971
商学講義 地田知平共編 青林書院新社 1973
金融概論 花輪俊哉共編 春秋社 1979

翻訳

マクロ経済学入門 S.ブルーマン 赤松弘之共訳 勁草書房 1967

参考

日本人名大辞典

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