小田島樹人

小田島樹人

小田島樹人（おだしま じゅじん、1885年 - 1959年）は、日本の作曲家であり、特に童謡『おもちゃのマーチ』の作曲者として広く知られています。本名は小田島次郎（おだしま じろう）。「樹人」は彼の俳号です。秋田県鹿角市出身であり、その功績を称え、鹿角市先人顕彰館や秋田県立博物館には彼の展示があります。

生涯

1885年、小田島樹人は秋田県鹿角郡花輪町（現在の鹿角市）で、当時の花輪郡長であった小田島由義の次男として生まれました。

1899年には、岩手県立盛岡中学校（現在の岩手県立盛岡第一高等学校）に進学。この時、一年上に石川啄木が在籍していました。

1914年、東京音楽学校器楽科（現在の東京芸術大学）を卒業。同級生には、中山晋平や梁田貞らがいました。卒業後、東京芝の三光小学校に音楽教師として奉職し、中山晋平らと共に新童謡運動を起こします。この時期に、『おもちゃのマーチ』、『赤いソリ』、『山は夕焼け』など、彼の代表作となる童謡が数多く発表されました。

1919年、三光小学校を病気のため退職。

1933年には、都新聞（現在の東京新聞）編集局に入り、歌壇の選者として活動しました。

1936年、郷里である秋田に戻り、秋田県立花輪高等女学校（現在の花輪高校）や秋田師範学校（現在の秋田大学教育学部）で嘱託教授として教鞭を執りました。

1941年からは、県立秋田中学校（現在の秋田高校）定時制で教鞭を執り、定年までその職を務めました。

1950年には、秋田学生音楽連盟を結成し、機関誌「音楽秋田」を編集するなど、秋田の音楽文化の発展に尽力しました。

1959年10月11日、74歳で生涯を閉じました。

作品

おもちゃのマーチ（作詞：海野厚）
赤いソリ
山は夕焼け
福島県立小名浜高等学校「応援歌」

小田島樹人の言葉

小田島樹人は、音楽の本質について次のような言葉を残しています。

「歌うことは聴くことである。弾くことも亦…

音楽は聴く為にのみ存在する。歌い又は弾くために存在するのではない。

歌いたい又は弾きたい衝動は聞きたい衝動である。

聴きたい衝動に駆られる時自らも歌って之を聴き

聴きたい衝動に駆られる時自ら弾いて之を聴く。

斯くして心を、魂を豊かにする事こそ

音楽の第一義的な存在理由である。」

この言葉からもわかるように、彼は音楽を単なる表現手段ではなく、聴くことによって心の豊かさを育むものと考えていました。

関連人物

海野厚：『おもちゃのマーチ』作詞者。小田島の俳句仲間。

外部リンク

鹿角の近代人物伝

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