小田部通麿

小田部通麿（おたべ みちまろ）

概要

小田部通麿（本名：釈通麿）は、1926年11月24日に福岡県山門郡柳川町で生まれた俳優であり住職です。彼は2004年8月29日に78歳でこの世を去りました。

生い立ち

柳川町にある寺院の息子として育った小田部は、青年期に太平洋戦争に応召され、戦後は拓殖大学専門部の司政科に進学しました。彼は1948年に卒業後、戦災孤児たちの不幸を見かねて、大阪府茨木市の「浪速少年院」や福岡県の「福岡少年院」で教官として奉職しました。彼は、少しでも子どもたちの人生を豊かにするために尽力をしました。

俳優としてのキャリア

1955年、職務に疑問を抱いた小田部は、偶然に訪れた東映京都撮影所で俳優の道を勧められ、入社することになります。その後、彼は数々の時代劇映画やヤクザ[[映画]]で悪役を中心に活動し、特にテレビ時代劇分野での活躍が目立ちます。名脇役として知られており、『燃えよ剣』では新選組を支援する八木家の差配人・伝蔵を演じ、特にその存在感が評価されました。レギュラー出演した作品では、栗塚旭主演の時代劇シリーズや、数々のテレビドラマでその名が知られています。

さらに、彼は舞台と僧侶の二足のわらじを履いて活動し、法名は「通山」と自ら名乗っていました。彼は住職として誠心寺に所在する墓に、劇作家・結束信二の墓を管理しました。結束の遺言に従って彼が葬儀でお経を読み上げたことは、多くの人々の記憶に残っています。

知名度と影響

小田部通麿は、特に時代劇の悪役作品におけるその飄々とした存在感によって、多くの視聴者に愛され続けてきました。彼のキャリアは1955年から2000年代まで続き、数々の映画やドラマに登場しました。特に『水戸黄門』や『銭形平次』など、彼が演じた悪役は鮮烈な印象を残しています。

晩年まで彼は俳優としての活動を続け、また法僧としても多くの人々に影響を与えました。その生き方は、演技と信仰を両立させるもので、多くのファンや同業者から敬愛されていました。

没後の評価

2004年、小田部通麿は再生不良性貧血により京都で他界しましたが、彼の遺した作品と宗教的信念は今もなお多くの人々に影響を与えています。俳優としての功績は忘れられることはなく、彼の生涯は映画界における重要な一章として語り継がれているのです。

【参考文献】

• - 黒須洋子『テレビ映画「新選組血風録」の世界』
• - 日本映画人名事典

主な出演作品

• - 風小僧
• - 忍びの者
• - 柳生武芸帳
• - 俺は用心棒
• - 水戸黄門
• - 燃えよ剣
• - 大岡越前
• - 江戸を斬る
• - 必殺シリーズ

俳優として活動する傍ら、住職としての人生をも全うしていた小田部通麿の功績は、両立した人生の象徴として今も語り継がれています。

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