小畑やすし

小畑やすし：昭和を彩った名子役、その輝きと第二の人生

小畑やすし（おばた やすし、1945年5月13日 - 2010年1月8日）は、昭和時代に活躍した日本の元子役です。愛らしいルックスと確かな演技力で、数々の映画やテレビドラマに出演し、一時代を築きました。本名は木幡 泰（こわた やすし）と言います。

生い立ちと子役デビュー

1945年5月13日、兵庫県に生まれた小畑やすしは、4人兄弟の長男でした。祖父は海軍少将の木幡行という家系に育ちます。父親が東映の社員であったことがきっかけで、大映のプロデューサーに勧められ、1952年、8歳の時に小石栄一監督の映画『死の街を脱れて』で子役デビューを果たしました。

人気子役としての活躍

デビュー後、小畑やすしは、その愛くるしい容姿と天真爛漫な演技でたちまち人気子役となります。江利チエミ主演の「サザエさんシリーズ」では、初代のかつを役を演じ、お茶の間の人気者になりました。また、同じく子役として活躍していた松島トモ子との共演も多く、仲木繁夫監督の映画『あんみつ姫』二部作や、毛利正樹監督の『たん子たん吉珍道中』三部作など、数々の作品で息の合った演技を披露し、当時の子供たちの間で絶大な人気を博しました。

特に松島トモ子とは「サザエさんシリーズ」でも共演しており、松島はワカメ役を演じました。2人のコンビは、昭和の子供たちにとって憧れの存在だったと言えるでしょう。

1957年には、マーキュリーレコードから松山恵子とのデュエット曲「山彦船頭さん」を発売し、歌手としてもデビューを果たしています。子役としてだけでなく、歌手としても才能を発揮し、多方面で活躍しました。

芸能界引退、そして第二の人生

人気絶頂の中、小畑やすしは1958年に東京学芸大学附属世田谷中学校に進学すると同時に芸能界を引退します。中学校卒業後はアメリカのケント・スクールへ留学。帰国後は学習院大学に進学し、卒業後は伊藤忠商事に就職しました。商社マンとして頭角を現し、課長にまで昇進。1976年にはコパカバーナ駐在員として再び渡米しました。その後も、アメリカだけでなくブラジルにも6年間駐在するなど、国際的に活躍しました。

定年退職後は、東京都世田谷区の男声合唱団メンネルコールけやきに入団し、音楽を楽しむなど、穏やかな晩年を過ごしました。

晩年と死

2010年1月8日、心臓病のため死去。満64歳でした。昭和の映画界を彩った名子役、小畑やすしの死は、多くの人に惜しまれました。

子役として一時代を築き、その後は商社マンとして国際的に活躍、晩年は合唱団で音楽を楽しむという多彩な人生を送った小畑やすし。その足跡は、多くの人々の記憶に刻まれています。

外部リンク

小畑やすし - 日本映画データベース
小畑やすし - KINENOTE

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