小笠原忠基

小笠原忠基

小笠原忠基（おがさわら ただもと）は、江戸時代前期に生まれ、豊前国小倉藩の第3代藩主を務めた人物です。小笠原家宗家としては4代目に当たります。

生涯

天和2年（1682年）7月4日、第2代藩主・小笠原忠雄の長男として江戸屋敷で誕生しました。幼少の頃は清貞と名乗り、元禄9年（1696年）からは父と共に藩政を担う二元政治を行い、従五位下、織部正に叙任されます。その後、元禄10年（1697年）には遠江守に転任し、元禄11年（1698年）に清遥と改名しました。享保10年（1725年）に父の死去に伴い、家督を継ぎ藩主となります。

藩主として忠基は文治を奨励しましたが、その治世は決して平穏なものではありませんでした。享保の大飢饉に見舞われ、領内では4万人もの人々が亡くなるという惨状を経験します。これにより治安が悪化し、盗賊が横行する事態となりました。忠基は治安回復に尽力する一方で、享保13年（1728年）には被差別部落に対する差別的な法令を制定するという側面もありました。寛保元年（1741年）に忠基と改名しています。

宝暦2年（1752年）2月5日に71歳で死去しました。嫡男の忠貞は既に亡くなっていたため、六男の忠総が跡を継ぎました。

系譜

父：小笠原忠雄（1647年 - 1725年）
母：久姫 - 長寿院、浅野光晟の娘
正室：梅 - 浅野綱長娘
長男：小笠原忠貞（1706年 - 1741年）
側室：常 - 涼心院、木村重房娘
六男：小笠原忠総（1727年 - 1790年）
側室：松室氏
次男：小笠原長逵（1713年 - 1770年） - 小笠原長興の養子
側室：井手氏
生母不明の子女
男子：小笠原長吉
男子：小笠原久吉
男子：小笠原長良
七男：小笠原長周
女子：利代姫
女子：幾姫
女子：幸姫 - 松平明矩正室
女子：多賀姫
養子
女子：永姫 - 小笠原長恭正室、小笠原忠貞の娘


小笠原忠基は、激動の時代を生きた藩主として、その功績と課題の両面から評価されるべき人物と言えるでしょう。

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