小笠原長国

小笠原長国の生涯

小笠原長国（おがさわら ながくに）は、江戸時代後期に活躍した大名で、肥前国唐津藩の第5代藩主です。長国は、官位としては従五位下を持ち、佐渡守や中務大輔に任命されました。彼は忠知系小笠原家の第13代目でした。

生い立ち

長国は、信濃国松本藩主・松平光庸の長男として生まれました。幼名は賢之進で、彼の家族とのつながりが生涯にわたって重要な役割を果たしました。天保11年（1840年）10月に先代藩主である小笠原長和が亡くなると、翌年の4月に養嗣子として藩主を引き継ぎました。

藩の再建

長国は、藩财政が飢饉によって崩壊の危機に直面していると認識し、捕鯨業や炭鉱業を活性化させるべく努力しました。これにより、経済の立て直しを図ろうとしました。藩の再建を目指す中で、彼は実権を自ら握るのではなく、安政2年（1855年）頃からは養子である長行に藩政改革を担当させました。この決断が藩内の派閥対立を引き起こすことになります。

派閥対立と藩政

長国の政策により、彼を支持する大殿派と長行を支持する若殿派の間で激しい対立が起こりました。この混乱を収束させるために、長国は長行を再び養嗣子として迎え入れましたが、これが完全に状況を改善することにはつながりませんでした。

戊辰戦争と降伏

幕末、西日本の政治が激動する中、長行は老中に任命され、時代の流れに抗して藩の名誉を守ることに尽力しました。しかし、長国自身は佐幕派であったため、慶応4年（1868年）の戊辰戦争では新政府に黄信号が灯る状況となりました。その結果、唐津藩は攻撃受ける見込みが高まると、鍋島直正を介して新政府に降伏を申し出る決断をしました。この際、忠実であった長行との関係を断つこととなります。

明治時代の活動

明治2年（1869年）には版籍奉還により藩知事に就任しましたが、翌年には藩内で一揆が発生し、状況は一層困難を極めました。明治4年（1871年）には廃藩置県が行われ、長国は免官の憂き目に遭います。明治6年（1873年）9月には隠居し、長行の息子である長生に家督を譲り、平穏な余生を送ることができました。

最後の歳月と死

長国は明治10年（1877年）4月23日に66歳で世を去りました。彼の墓所は東京都世田谷区北烏山の幸龍寺にあり、旧地で遺族が彼を偲ぶことができます。

家族構成

長国の家族には、父として松平光庸、養父として小笠原長和がいます。正室は土屋彦直の娘です。また、子供には小笠原長行とその正室、さらには長行の妻として松平信庸の娘が含まれます。長国の血脈は、長行を経て小笠原長生に引き継がれていきました。

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