小笹駅

小笹駅の歴史と地域の変遷

概要

小笹駅（おざさえき）は、かつて福岡県福岡市中央区に所在した日本国有鉄道の筑肥線に属する駅でした。1983年に福岡市地下鉄1号線の開業に伴って、筑肥線の博多駅から姪浜駅間が廃止され、この駅も閉鎖されました。

開業から廃駅までの歴史

小笹駅は1931年1月16日に、地元住民の熱心な要望を受けて北九州鉄道の駅として開業しました。1937年には国有化され、日本国有鉄道の一部となりました。この駅は、開業当初は恵まれた利用状況ではなかったため、時には列車が通過することもありました。しかし、戦後に福岡県住宅協会が小笹団地を造成したことにより、周辺の住宅地が発展し、利用客が増加しました。

1983年3月22日、筑肥線の博多駅と姪浜駅間が廃止されると、小笹駅もその運命を同じくしました。最後まで駅員は配置されており、地域住民に密接に寄り添った「アットホームな駅」として親しまれていました。

駅の構造と特徴

小笹駅は単式ホーム1面1線を持つ地上駅でした。駅舎は階段を登った先にあり、当時、駅員は高齢の国鉄OBが4名のみでした。1972年の国鉄合理化により、多くの委託駅が無人化されたものの、小笹駅は利用者が多かったことから駅員が配置され続けました。特にこの駅では、駅員が布団を干すという光景も見られ、高齢者や子供たちの遊び場ともなっていました。

利用状況

小笹駅は、開業当初は乗降客が少ない状態が続いていましたが、周辺に小笹団地などの新興団地が生まれると、利用者が急増しました。また、魚介類や野菜を販売する行商も多く訪れ、駅は地域の重要な交通拠点となったのです。お盆や年末には、駅に届く小荷物は1日で約200個にも達し、駅舎に収まりきれないものはホームに積まれることもありました。

駅周辺の環境

開業当初は、周辺は笹藪に囲まれており、主な施設は陸軍の射撃場だけでした。しかし、駅が開業するにつれて、南側には銀行の支店やスーパーマーケット、酒屋などの商店が立ち並ぶようになりました。また、博多方面へ向かうには線路をくぐるトンネルもあり、露店も見られる賑やかな場所となりました。

廃止後の状況

小笹駅は1983年に廃止され、その跡地には小笹公園とパチンコ店が建設されました。パチンコ店は2022年に閉店し、その後にはま寿司が開店しました。同時に、駅舎を通る線路は筑肥新道の一部として利用されています。現在、駅の痕跡はほとんど残っていない状況です。

隣接する駅

小笹駅の隣には筑前高宮駅と鳥飼駅が存在し、当駅の運行状況を支えていました。また、1941年までの間、筑前高宮駅と小笹駅の間には平尾駅もありました。

終わりに

小笹駅は、地域の発展に寄与した駅であったことが歴史を通じて見受けられます。廃駅となった今、地域の人々にとってその記憶は大切なものとなっています。

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