小舟渡駅

小舟渡駅：九頭竜川と歴史を繋ぐ小さな駅

福井県吉田郡永平寺町藤巻に位置する小舟渡駅は、えちぜん鉄道勝山永平寺線沿線にある無人駅です。駅番号はE19。その歴史は古く、1914年（大正3年）に京都電燈越前電気鉄道の駅として開業しました。当初は列車交換が可能な有人駅で、駅舎も存在していました。その後、京福電気鉄道を経て、2003年（平成15年）にえちぜん鉄道へ移管されました。

激動の歴史：事故と復興、そして自然災害

小舟渡駅は、2001年（平成13年）に発生した京福電気鉄道越前本線列車衝突事故の影響で全線運行休止、駅も休業を余儀なくされました。しかし、2003年10月19日、永平寺口駅 - 勝山駅間の運行再開と同時に駅業務も再開。近年では、2021年（令和3年）3月の大規模な土砂崩れにより、勝山駅 - 山王駅間で運転を見合わせましたが、同年4月6日に運行を再開し、地域の交通の要として活動を続けています。1978年（昭和53年）には駅業務の無人化、列車交換設備の廃止が行われました。

駅構造と周辺環境：変化と静寂

現在の小舟渡駅は、単式ホーム1面1線の地上駅です。かつての賑わいとは対照的に、現在は無人駅となっています。駅舎は存在せず、ホーム上屋と待合室が利用客の休憩スペースとなっています。駅西側に設置された出入口からアクセスします。

駅名の由来は、九頭竜川に架かっていた小さな舟を繋いだ橋にあります。鉄道開業後、九頭竜川の増水により対岸への通行が困難となったことから、1923年（大正12年）に鉄橋である小舟渡橋が架けられました。現在も、北側の九頭竜川と南側の山に挟まれた、静かな環境の中に駅は存在しています。

変わらぬ風景：遊園地と温泉の記憶

かつて、小舟渡駅周辺には福井県で最初の遊園地である小舟渡遊園地や小舟渡かまぶろ温泉が存在していました。しかし、時代の流れと共に、温泉の利用者減少により、2002年（平成14年）3月15日に温泉は閉館。遊園地も閉鎖され、現在は静かな風景が広がっています。

利用状況とアクセス

小舟渡駅の1日平均乗車人員は、勝山市統計書を参照する必要があります。具体的な数値は公開情報に依存しますが、周辺環境を考慮すると、限られた利用客で推移していると考えられます。周辺には建物が少なく、公共交通機関以外のアクセスは容易ではありません。

隣の駅

小舟渡駅は、えちぜん鉄道勝山永平寺線に位置し、越前竹原駅と保田駅に挟まれています。快速列車は通過しますが、普通列車は全て停車します。

まとめ

小舟渡駅は、歴史の重みと自然の静寂が共存する小さな駅です。幾多の困難を乗り越え、現在も地域住民の足として機能しています。その歴史と周辺環境を知ることで、小舟渡駅の持つ魅力をより深く理解できるでしょう。

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