小西主殿介

小西主殿介（こにし とのものすけ）

小西主殿介は、安土桃山時代に活躍した武将であり、小西氏の一族で小西行長の重臣でした。生年は定かではありませんが、一説には弘治3年（1556年）または永禄9年（1566年）生まれとされています。文禄2年1月8日（1593年2月9日）に、平壌城の戦いで壮絶な戦死を遂げました。

人物

実名は不詳で、「長統（ながむね）」や「宗虎（むねとら）」とする説があります。父は小西隆佐で、官途名である主殿介（とのものすけ）が通称として用いられました。洗礼名はペトロです。

小西行長の庶兄または弟（末弟）とされ、行長が肥後宇土城主となると、隈庄城を預けられ城代を務めました。子であるとされる小西忠右衛門も、後に城代となったと伝えられています。『肥後国誌』では、隈庄城主として記載されています。

戦歴

天正17年（1589年）の天草五人衆の反乱では、先鋒を任されました。この時、後に加藤清正の元で活躍する水野勝成が副将として付き、共に戦いました。

文禄の役では、1万石を領し、小西一門の中で最高の禄高を有していました。渡海し、外甥にあたる宗義智とともに梁山城を攻略する手柄を立てました（梁山城の戦い）。

壮絶な最期

文禄2年（1593年）1月8日、平壌城の戦いにおいて、小西軍は3倍以上もの兵力を誇る明軍に敗北しました。城外へ脱出する際、小西行長らを逃がすため、主殿介は数十名の手勢を率いて殿軍を務め、壮絶な戦死を遂げました。彼の犠牲的な行動によって、行長は落ち延びることができたのです。

小西主殿介は、勇猛果敢な武将であるとともに、主君への忠義を尽くした人物として、その名は歴史に刻まれています。

参考文献

国史研究会 編『国立国会図書館デジタルコレクション 朝鮮征伐記』 1巻、国史研究会〈国史叢書〉、1916年、248-255頁。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3441737/135 国立国会図書館デジタルコレクション。
近藤安太郎『系図研究の基礎知識 : 家系にみる日本の歴史 第3巻 (近世・近代)』近藤出版社、1989年。ISBN 477250267X。

もう一度検索