小説・北斗の拳-呪縛の街-

小説・北斗の拳-呪縛の街- と OVA 新・北斗の拳

『小説・北斗の拳-呪縛の街-』は、武論尊氏が著し、原哲夫氏の漫画『北斗の拳』を原作とした小説です。集英社ジャンプ ジェイ ブックスから刊行されました。原作の物語が終了した後、ケンシロウがどのように生きていたのかを描いたオリジナルストーリーとなっています。

本稿では、この小説を原作としたOVA作品『新・北斗の拳』についても解説します。

あらすじ

200X年、核戦争によって世界は荒廃し、水は放射能に汚染され、人々は苦しんでいました。天帝を名乗るジャコウとボルゲが倒された後、サンガという男が現れ、城塞都市「ラストランド」を築き、安全な水を独占することで民衆を支配していました。

サンガに抵抗する「自由の村」の人々は、情報屋トビから安全な井戸の情報を得て掘り当てますが、サンガはそれを察知し、刺客を差し向けます。村人たちは次々と命を落としていきます。そこに北斗神拳の伝承者・ケンシロウが現れ、サンガの刺客を倒します。しかし、ケンシロウとトビが村を離れた隙に、サンガの新たな刺客が襲撃し、自由の村は壊滅。奇跡的な治癒能力を持つ女医・サーラはさらわれてしまいます。

サーラを救うため、ケンシロウとトビはサンガの本拠地ラストランドへ向かいます。そこでサンガは、サーラの治癒能力を「奇跡」として民衆に披露し、さらに手から水を出す少年ドーハの「奇跡」を見せます。ドーハこそ、トビの生き別れた弟ビスタでした。

登場人物

主要キャラクターはケンシロウを除き一新されています。OVAでは本編からの登場人物としてラオウの遺児・リュウとトキが登場しますが、ケンシロウの回想シーンのみにとどまります。

ケンシロウ：北斗神拳の伝承者。自由の村の人々を救ったことから、サンガとの戦いに巻き込まれます。
トビ：自由の村に協力する情報屋。本編におけるバットのような存在。生き別れた弟ビスタとの再会を信じています。
サーラ：「奇跡の女」と呼ばれる女医。秘孔を突く医術を使い、ケンシロウは彼女にトキの姿を重ねます。サンガやセイジに利用されます。
ビスタ（ドーハ）：トビの弟。手品が得意で、サンガに利用され「神」として祭り上げられます。
マイン: OVAオリジナルキャラクター。自由の村で暮らす少女。

ラストランド

サンガが治める国。安全な水を独占することで民衆を支配しています。

サンガ：ラストランドの王。民衆を支配するため、ドーハやサーラの能力を利用しようとします。ケンシロウに倒されます。
セイジ：サンガの息子。北斗の拳の流派の一つ「北門の拳」を修得し、サンガ亡き後のラストランドを支配します。ケンシロウと死闘を繰り広げた後、自決します。
チェス：サンガの配下。後にセイジの部下。ラストランド崩壊後、ケンシロウに倒されます。
ギース：ラストランドの隊長。ケンシロウに倒されます。
ローグ: OVAに登場するラストランドの隊長。自由の村を襲撃しサーラを連れ去る。

クリフランド

北門の拳の使い手たちが支配する地。旧世紀の遺産である核兵器などが封印されています。

シマ、レン：セイジを追う北門の拳の拳士。ケンシロウに北門の拳について語ります。
老師：北門の拳の指導者。ケンシロウにセイジの始末を託します。

書誌情報

武論尊（著） / 原哲夫（原作） 『小説・北斗の拳-呪縛の街-』 集英社〈ジャンプ ジェイ ブックス〉、1996年12月18日発売、ISBN 4-08-703054-7

OVA 新・北斗の拳

2003年から2004年にかけて全3巻でリリースされました。

スタッフ

監督・絵コンテ - 渡部高志
原作 - 武論尊、原哲夫
脚本 - 堀江信彦、戸田博史
キャラクターデザイン・総作画監督 - 外崎春雄
音楽 - 高梨康治
アニメーション制作 - A.C.G.T
製作 - オービー企画、新・北斗の拳製作委員会

主題歌

オープニングテーマ「Lu:na」
エンディングテーマ「OASIS」

2曲ともに、セイジ役のGacktが歌っています。

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