小野柄通

小野柄通：神戸の商業と歴史を織りなす街

概要

小野柄通は、兵庫県神戸市中央区に位置する町名です。小野柄通一丁目から八丁目まであり、651-0088が郵便番号です。阪神神戸三宮駅の南東に位置し、国道2号の南側に広がる商業地域で、数多くの商業ビルや集合住宅が立ち並んでいます。生田川を挟んで北本町通、南に御幸通、西にフラワーロード、北に国道2号を挟んで雲井通と隣接しています。神戸新交通ポートアイランド線（ポートライナー）が六丁目と七丁目の間を走行し、阪神本線も近接して走っています。

歴史：歌枕から現代の商業地へ

小野柄という地名は、江戸時代後期の歌人・賀茂季鷹の歌に由来するといわれています。この歌は「生田の小野」と呼ばれる歌枕の地を詠んだものとされ、地名に深い歴史的背景が見て取れます。明治32年（1899年）に町名となり、昭和6年までは「葺合小野柄通」と呼ばれていました。

小野柄通は、明治時代以降、交通網の発達とともに発展を遂げました。1905年には阪神電気鉄道が開通、1910年には小野柄尋常小学校が開校し、1931年には国鉄三ノ宮駅が近隣に移転するなど、街の風景は大きく変化しました。1933年には阪神三宮駅が地下駅となり、そごう神戸店も移転してきます。さらに、市電や阪神急行電鉄（現阪急電鉄）も近隣に乗り入れるなど、交通の要衝として発展を続けます。

昭和38年には県下初の精神薄弱養護学校である青陽養護学校が開校（後に移転）、昭和56年にはポートアイランド線が、昭和60年には神戸市営地下鉄西神・山手線が、平成13年には神戸市営地下鉄海岸線がそれぞれ開通しました。これらの公共交通網の整備は、小野柄通の更なる発展に大きく貢献しました。1996年には小野柄小学校が中央小学校に統合されました。近年では2019年9月にそごう神戸店が閉店し、10月に神戸阪急として営業を開始するなど、再開発も進んでいます。

地理と周辺環境

小野柄通は、商業地域として発展してきたため、商業施設が多く集まっています。かつては映画館ビック映劇（1999年閉館）もありましたが、現在は飲食店に変わっています。また、現在の中央消防署の敷地には、かつて神戸市立小野柄小学校がありました。

地理的には、国道2号、阪神本線、ポートライナー、そして神戸市電（廃線）など、主要な交通網に囲まれた立地にあります。このため、古くから交通の便が良く、商業活動が盛んに行われてきました。

人口変遷

小野柄通の人口は、時代とともに変遷を遂げています。平成17年（2005年）の国勢調査では、世帯数463世帯、人口698人（男性373人、女性325人）でした。昭和63年（1988年）には世帯数182世帯、人口365人、昭和35年（1960年）には世帯数184世帯、人口648人でした。大正9年（1920年）には世帯数1,104世帯、人口4,844人と、現在とは大きく異なる人口規模でした。

主要施設

小野柄通には、数多くの商業施設やオフィスビルが立地しています。代表的な施設としては、三宮ビル北館、P&Gジャパン本社、いかりスーパーマーケット神戸三宮店、神戸阪急（旧そごう神戸店）、神戸ロフト、無印良品神戸阪急店などが挙げられます。これらの施設は、小野柄通の商業活動を支える重要な存在です。

まとめ

小野柄通は、歴史と商業が融合した、神戸市を代表するエリアの一つです。古くからの歌枕の地としての歴史、そして明治時代以降の交通網の発達による発展、更には近年の再開発による変化など、小野柄通の歴史は、神戸市の発展の歴史そのものを映し出しています。今後も、交通の利便性と商業施設の集積という強みを活かし、神戸市の発展に貢献していくでしょう。

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