小野正嗣

小野 正嗣（おの まさつぐ）

小野正嗣は1970年11月27日に大分県蒲江町で生まれた日本の小説家、比較文学者、そしてフランス文学の専門家です。彼は早稲田大学文化構想学部の教授として学問活動にも力を入れています。

学歴とキャリアの始まり

大分県立佐伯鶴城高等学校を卒業した後、一度の浪人を経て東京大学文科I類に入学しました。その後、法学部へ進むことなく、教養学部にて日本文化の比較研究を専攻し卒業。続いて総合文化研究科の博士課程で言語情報科学を学び、博士論文としてマリーズ・コンデについて論じ、パリ第8大学よりPh.Dの学位を取得しました。

文学界での活動

小野は1996年に新潮学生小説コンクールにてデビューし、その後2001年に発表した「水に埋もれる墓」で朝日新人文学賞を獲得。さらに2002年には『にぎやかな湾に背負われた船』で三島由紀夫賞を受賞。翌年の2003年には「水死人の帰還」で芥川龍之介賞の候補にも名を連ねるなど、文学界での存在感を示しました。

その後も、2006年に東京大学教養学部の助手を務め、2007年に明治学院大学文学部の専任講師に任命され、そこで現代フランス語圏文学を教えました。2013年には准教授に昇進し、2014年からは立教大学文学部の文学科文芸・思想専修の准教授として活動します。2016年には教授に昇進し、早稲田大学文化構想学部の教授としての肩書も持っています。

受賞歴と貢献

彼の作品は受賞歴が豊富で、2008年に「マイクロバス」で芥川龍之介賞候補となり、特に2015年には「九年前の祈り」で同賞を受賞しました。また、2012年からは朝日新聞の書評委員として読者に新たな文学を紹介してきました。2016年から23年3月までは毎日新聞に短編小説「踏み跡にたたずんで」を連載し、2018年にはNHKの番組『日曜美術館』にキャスターとしても出演しています。

代表作と作品リスト

小野の小説作品には、『水に埋もれる墓』（2001年）、『にぎやかな湾に背負われた船』（2002年）、『九年前の祈り』（2014年）、『獅子渡り鼻』（2013年）などがあり、いずれも高い評価を得ています。また、エッセイや翻訳、文学に関する著書もあり、彼の文学への貢献は幅広いです。

掲載誌や選集

彼の作品は多くの文学雑誌に掲載されており、「マイクロバス」「古い皮の袋」「眠る瘤」他にも様々な短編が評価されています。また、彼は多くの翻訳を手掛けており、V・S・ナイポールやアミタヴ・ゴーシュの作品を日本語に訳しています。

総括

小野正嗣の文学と検討活動は、彼自身の独自の視点と豊かな表現力によって、日本の文学界において不可欠な存在となっています。彼の作品や学問に対する姿勢は、多くの人々に影響を与え続けており、今後の作品にも期待が寄せられています。

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