小鴨元清

小鴨元清の生涯

小鴨元清（おがも もときよ）は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活動した武将で、伯耆国の岩倉城主として知られています。彼は南条宗勝の次男として生を受けましたが、具体的な生年は不詳です。元清が初めてその名で登場するのは、永禄5年（1562年）11月に松尾神社に神田を寄進した際でしたが、最近の研究においてこの寄進は彼の父、南条宗勝に関するものであることが判明しています。

元清は永禄から天正年間にかけて小鴨氏の家督を受け継ぎ、小鴨姓を名乗るようになります。彼は初め兄の南条元続と共に吉川元春に従軍し、応援を誓ったものの、天正7年（1579年）には南条氏が織田氏から離反。次第に激化する戦闘の中で、元清は岩倉城を守り続け、時には八橋城に敵兵を攻撃しようとしましたが、敗北することが多かった。

その後、鳥取城包囲が続き、周囲の状況が厳しくなると、元清は兄と共に播磨国へ逃げました。本能寺の変の後は、戦局が変化し、天正12年（1584年）には秀吉と毛利氏が和解し、元清は東伯耆へ戻ります。この頃、病気がちの兄の後見として彼の政務を引き受けるようになります。

天正15年（1587年）には秀吉に従って九州へ遠征し、高城を包囲中に島津軍の攻撃を撃退するなど、その戦闘能力を発揮しました。天正19年（1591年）に兄が亡くなり、元清は元忠の後見人となり、一時的に打吹城にて政務を行います。この期間には、文禄・慶長の役にも参加し、自ら1500人の兵を率いて朝鮮に渡り、戦功を挙げました。

だが、元清は元忠との関係に苦しみ、最終的には小西行長の元に預けられることになります。この際、南条姓に戻されました。また、相良堂の修築など、土地の文化的活動にも貢献しました。

慶長5年（1600年）、元清は関ヶ原の戦いで小西勢として参戦し、加藤清正の軍と戦いましたが、最終的には投降。戦後、小西家が没落しても、元清は6000石を得て清正の家臣となり、剃髪して元宅と名乗ります。

慶長19年（1614年）、彼は大坂の陣で豊臣秀頼に仕官しようとしますが、船上で病に倒れ、建仁寺での療養のかいもなく同年2月13日に逝去しました。

元清の死去に際しては遺言が残されており、嫡子が病気であったことから、嫡孫に跡を譲る意向を示しましたが、議論が展開されました。その結果、庶子にあたる二男が家督を継ぐこととなりました。このように、元清の死後も南条家の中での争いが続き、彼の名は後世に語り継がれることとなります。

また、元清の晩年に関しては諸説あり、美作国へ逃れたという説も存在しますが、確証となる資料は存在しておらず、主に後世の記載に基づいています。一方で、熊本に残る墓地などは、元清が『南条氏盛衰記』で語られる伝説の裏付けとなっています。彼の複雑な生涯は、戦国時代の武将の宿命を象徴していると言えるでしょう。

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