少林寺 (各務原市)

少林寺について

少林寺（しょうりんじ）は岐阜県各務原市にあり、臨済宗妙心寺派の聖澤派（東陽派）に属する寺院です。山号は龍慶山とされ、美濃四国札所の第28番札所でもあります。さらに、美濃四観音の一つとしても知られています。

沿革

この寺院の歴史は、鎌倉時代の応長元年（1311年）にさかのぼります。当時、尾張国葉栗郡小網島村に臨済宗南禅寺派の寺院として、夢窓疎石によって開山されました。開山当初の少林寺はかなりの規模を誇る伽藍であったと伝えられており、多くの信者に支持されていたことでしょう。

しかし、位置する地勢の影響で、少林寺はしばしば洪水に悩まされました。正中2年（1325年）には、境川（現在の木曽川の旧流）の氾濫によって大きな被害が発生しました。その後も幾度かの洪水により寺院は荒廃し、次第にその存在は薄れていきました。

明応8年（1499年）、薄田祐貞が禅僧の東陽英朝を招いて、臨済宗妙心寺派の寺院として再興し、新加納に移転しました。旧少林寺の跡地は現在、岐阜県消防学校の敷地や、木曽川の河川敷として利用されています。

その後も、少林寺は様々な歴史の中で栄枯盛衰を繰り返しました。永禄8年（1563年）には、織田信長の攻撃により焼失しましたが、関ヶ原の戦いの後、松倉城城主の坪内利定が羽栗郡と各務郡を治める大身旗本となり、新加納陣屋を築いた際に、坪内氏の菩提寺として改めて再建されました。

文化財

少林寺にはいくつかの重要文化財や史跡があります。岐阜県指定の重要文化財として、紙本墨書の東陽英朝筆による辞世偈があり、また岐阜県指定の史跡には東陽英朝禅師の塔所があります。さらに、各務原市指定の文化財には、旗本坪内家の墓所や稲荷堂、東陽英朝禅師の頂相といった貴重な建造物や絵画、典籍が含まれています。これらの文化財は、少林寺の歴史や信仰の深さを物語っており、訪れる人々に大きな感動を与えています。

交通アクセス

少林寺へのアクセスは非常に便利で、名鉄各務原線の新加納駅から徒歩約5分の位置にあります。また、各務原市ふれあいバスの川島線を利用し、「新加納駅南」バス停で下車後、徒歩約3分で到着します。豊かな歴史と文化に触れるために、ぜひ足を運んでみてください。

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