尖山 (富山県)

尖山（とがりやま）

富山県中新川郡立山町にそびえる尖山は、その名の通り、鋭く尖った円錐形の美しい山容が特徴的な独立峰です。その均整の取れた形状から、四方どの方向から見ても同じように見えるため、地域では「とんがり山」の愛称で親しまれています。

概要

尖山は、かつて「布倉山」と呼ばれていました。民俗学者・柳田国男の著書『日本の伝説』には、「石合戦による神戦」の伝説に布倉山の名が登場します。この伝説によれば、布倉山は女神「布倉媛」であり、舟倉山の神である姉倉媛の味方をしたと伝えられています。

また、近年では、山頂にサークルストーンがある、山頂で磁場が狂うといったオカルト的な噂が広まり、富山県内でも有数のミステリースポットとしても知られるようになりました。

地形

尖山が形成された地層は、岩稲累層と呼ばれる海底火山活動によってできたものです。この海底火山活動によって、現在の円錐形の美しい山容が形作られたと考えられています。また、尖山周辺では無斑晶安山岩が確認されています。

遺跡

山頂部では、過去に国学院大学による調査が行われ、和鏡や土器、銅製品などの遺物が発掘されました。これらの遺物から、12世紀から14世紀にかけて、尖山が断続的に山岳信仰の場として利用されていたことが明らかになっています。

登山

尖山への登山は、横江駅前から登山口への案内標識が設置されています。しかし、実際には途中まで林道が整備されており、車でアクセスすることも可能です。登山道は比較的整備されていますが、山頂付近は急峻な箇所もあるため、注意が必要です。

その他

尖山は、その独特な形状と歴史的な背景から、UFOの飛行場説や古代ピラミッド説といったミステリースポットとしての側面も持っています。

参考文献

橋本廣、佐伯邦夫編『富山県山名録』桂書房、2001年。
富山県山岳連盟編 『富山の百山』北日本新聞社。p160-161

関連項目

立山町
海底火山
遺跡
石合戦#神戦の伝説 - 柳田国男が所収した日本の伝説において、布倉山が登場する
* オカルト

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