尖沙咀鐘楼

尖沙咀鐘楼（チムサーチョイしょうろう）

尖沙咀鐘楼は、香港の九龍半島、尖沙咀に位置する歴史的な時計台です。正式名称は「前九広鉄路鐘楼」といい、かつてこの場所にあった九広鉄道の尖沙咀駅で唯一現存する建造物です。その美しい姿は、香港を代表するランドマークの一つとして、多くの人々に親しまれています。

歴史

1904年、九広鉄道の終点を尖沙咀に置く計画が決定しました。1910年には鉄道の運行が開始されましたが、尖沙咀駅の建設は、第一次世界大戦の影響でイギリスからの資材供給が遅れたため、1913年にようやく着工されました。1915年には鐘楼を含む一部が完成し、翌1916年3月28日に全体が完成しました。

時計は、取り壊された香港島中環の畢打街鐘楼のものが再利用されました。当初は時計が1面にしかありませんでしたが、1920年に残りの3面にも設置されました。1921年3月22日午後には時計が稼働を開始し、第二次世界大戦中の日本占領期間を除き、時を刻み続けています。

銅鐘は、1950年代に沙田駅に移された後、九広鉄道の倉庫に保管されていましたが、「九広鉄道九龍-羅湖間開通100周年」を記念し、2010年9月に鐘楼の地下に特別に設置されました。

1975年には、旧尖沙咀駅は埋め立てによって新たに開発された紅磡湾に移転し、紅磡駅となりました。1977年には、駅舎は古跡保護団体等の陳情や抗議にもかかわらず取り壊されましたが、時計塔は保存されることになりました。現在、鐘楼は旧尖沙咀駅の敷地内に建てられた香港太空館、香港芸術館、香港文化中心といった現代的な建築物に囲まれています。

1990年7月30日には、香港法定古跡に指定されました。

建築

尖沙咀鐘楼は、赤レンガと花崗岩を使って建てられており、その高さは44メートルに達します。さらに、7メートルの避雷針が頂上に取り付けられています。内部には木製の階段があり、かつては塔の先端まで登ることができ、2001年9月2日から2003年12月まで一般公開されていましたが、現在は建築物保護のため閉鎖されています。

鐘楼はソールズベリー・ロード沿いに位置し、ビクトリア・ハーバーの目の前という絶好のロケーションにあります。また、別のランドマークであるスターフェリーの埠頭にも近く、多くの観光客が訪れる人気のスポットとなっています。

外部リンク

An introduction by Antiquities and Monuments Office
Former Kowloon-Canton Railway Terminus Clock Tower - SkyscraperPage.com

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