尼崎市歌

尼崎市歌について

「尼崎市歌」（あまがさきしか）は、兵庫県尼崎市が制定した市の公式歌です。この市歌には初代と2代目があり、それぞれ異なる時代背景があります。

初代尼崎市歌

初代の尼崎市歌は1926年（大正15年）に制定されました。この制定は市制施行10周年を記念する意味合いがあり、「国に国歌あり、学校に校歌あり、会社に社歌あり、市に市歌なかるべからず」という理念のもとで歌詞が一般公募され、作詞を担当したのは福武周夫、作曲は小部卯八が手がけました。福武は他にも全国中等学校優勝野球大会の大会歌でも一等入選を果たしており、その経験が歌詞の創作に活かされたと言われています。しかし、この初代市歌は、1936年（昭和11年）に小田村と合併した新制尼崎市には引き継がれず、公式には失効とされました。

2代目尼崎市歌

現在の2代目尼崎市歌は1939年（昭和14年）に提唱され、1940年（昭和15年）に正式に制定されました。この市歌は、旧市歌と同様に歌詞を一般公募する案もありましたが、作詞を詩人の土井晩翠に依頼する形が選ばれました。全5番で構成されたこの歌詞は、東京音楽学校の音楽家によって作曲され、新年祝賀会で初めて演奏されました。市報に掲載された後、西宮市のタイヘイレコードによって録音も行われました。

第2次世界大戦後、この市歌は大時代的な表現が問題視され、歌われる際に2番を省略することが一般的になりました。それでも、市立小学校の運動会などの行事では引き続き演奏されることがありました。しかし、平成に入ると「昭和」の表現が含まれている点や、新たに作られた市民愛唱歌との兼ね合いで、公的な行事では原則演奏されなくなりました。

2016年には、尼崎市制100周年を記念するイベントで復活演奏が行われ、市民の間でも再評価されてきています。101年の軌跡を辿り、市制100周年記念式典でも演奏がされました。

尼崎市の他の楽曲

尼崎市では、1940年に制定された2代目市歌が公式な市歌として現在も用いられていますが、戦後には数々の市民愛唱歌も生まれました。特に2016年には「ああ尼崎市民家族」と「あまがすき」が演奏され、これらの楽曲も市民にとって親しまれる存在となっています。

主な市民愛唱歌

• - 花を呼ぶ人とまち: 1962年（昭和37年）に発表された市民愛唱歌。作詞は山口栄一、作曲は斉藤超が担当。
• - きょうちくとうの願い: 1969年（昭和44年）に発表された楽曲。市花であるキョウチクトウにちなんだ歌で、ずききよしが作詞・作曲。
• - ああ尼崎市民家族: 1986年（昭和61年）に作られた市制70周年記念歌。伊丹公子の作詞、キダ・タローの作曲で、全国的に広く知られる名曲となりました。
• - あまがすき: 2015年（平成27年）に発表されたもので、あまゆーずが作曲・歌唱を担当しています。

これらの楽曲は、尼崎市の文化や市民愛を反映しており、地域社会における重要なシンボルとして存在しています。

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