尾久橋

尾久橋：隅田川に架かる都市を結ぶ橋

尾久橋は、東京都の足立区小台一丁目と荒川区東尾久八丁目を結び、隅田川に架かる橋です。都市計画道路放射第11号線、通称「尾久橋通り」（東京都道58号台東川口線）がこの橋を通っています。橋の名前は、南岸の荒川区の地名に由来しています。

特徴

尾久橋は、隅田川に架かる橋でありながら、北岸部では荒川に架かる扇大橋と連続しているかのような構造になっています。この独特な構造が、尾久橋の景観的な特徴となっています。

歴史

尾久橋の架かる場所には、かつて「熊野の渡し」と呼ばれる渡し船がありました。右岸の上尾久熊野前から左岸の江北村へと人々や物資を運んでいました。尾久橋の名前は、この渡し船に由来しています。

橋の建設にあたっては、予定地の地盤が軟弱であったため、3径間連続鋼床版箱桁橋という特殊な形式が採用されました。まず、1968年に幅員12.0メートルの橋として上流側が完成し、その後1979年に下流側への拡張工事が行われ、現在の姿になりました。

橋の概要

種別: 鋼道路橋
形式: 3径間連続鋼床鈑箱桁橋
橋長: 431.0m
幅員: 24.0m
竣工: 昭和43年（1968年）5月
事業主体: 東京都

路線バス

尾久橋は、都営バスの路線が通っており、地域住民の足として重要な役割を果たしています。

里48: 日暮里駅 - 西日暮里駅 - 熊野前 - 足立小台駅 - 江北六丁目団地 - 足立流通センター - 中入谷 - 見沼代親水公園駅

周辺の橋

隅田川における尾久橋の隣の橋は以下の通りです。

上流: 首都高速中央環状線、小台橋
下流: 東京都交通局日暮里・舎人ライナー、尾竹橋

関連情報

尾久橋の建設中の様子を記録した写真集も存在します。

小泉定弘『小泉定弘写真集工事中 : 尾久橋通り 日暮里・舎人線を歩く 2001年3月13日』リトル・ギャラリー、2001年、ISBN 4-906188-51-6

この写真集には、尾久橋の基礎工事の様子が収められています。

尾久橋は、地域の交通を支える重要なインフラであるとともに、隅田川の景観を構成する要素の一つとなっています。

もう一度検索