尾崎雄二郎

尾崎雄二郎（1926年 - 2006年）は、中国語音韻学を専門とする日本の中国研究者であり、京都大学名誉教授です。本名は清水でした。

経歴

1926年に東京で生まれた尾崎は、1943年に上海の東亜同文書院大学予科に入学しました。しかし、1945年の日本の敗戦により同大学が廃校となったため、京都大学に改めて入学し、吉川幸次郎らに師事しました。1951年に京都大学文学部文学科を卒業、1956年には同大学院を修了しています。立命館大学講師を経て、1959年に京都大学教養部の講師となり、1970年に助教授、1971年に教授に昇進しました。1975年には京都大学人文科学研究所教授に就任し、1987年には同研究所の所長を務めました。1986年、『中国語音韻史の研究』により京都大学から文学博士の学位を授与され、1989年に京都大学を定年退官。その後、京都大学名誉教授となりました。2004年春には瑞宝中綬章を受章しています。

業績

尾崎は、中国語音韻史、特に上古音の研究において重要な業績を上げました。また、漢字研究にも取り組み、段玉裁の『説文解字注』の訳注に尽力しましたが、眼疾などのため、全8巻の予定に対し5巻のみの刊行となりました。

著作

単著
『中国語音韻史の研究』(1980年)
『漢字の年輪』(1989年)
編著・共著
『漢語史の問題』(1988年)
『訓読 説文解字注』(1981年-1993年)
『和語と漢語のあいだ：宗祇畳字百韻会読』(1985年)
『角川大字源』(1992年)
『小川環樹 中國語學講義筆録』(2011年)
『中国文化史大事典』(2013年)
『中国語音韻史の研究・拾遺』(2015年)
吉川幸次郎『論語』上・下(1996年、2020年)

尾崎雄二郎は、中国語音韻学の研究において多大な貢献を果たし、多くの研究者や学生に影響を与えました。彼の研究は、中国語史の研究に不可欠なものとして、今日でも高く評価されています。

もう一度検索