尾張広域緑道
尾張広域緑道は、愛知県北部、尾張地方に位置する広域的な県営都市公園です。犬山市、丹羽郡扶桑町、大口町、小牧市、春日井市の3市2町を縦断しており、「緑道」の名の通り、緑豊かな歩行空間として整備されています。
この緑道は、1987年（昭和62年）に開始された「昭和天皇在位60年記念事業」の一環として整備が進められました。その特徴は、名古屋市の上水道導水管が敷設されている土地を効果的に利用している点にあります。愛知県北部の庄内川河畔（春日井市松河戸町）から、木曽川河畔（犬山市）まで、総延長約19.5キロメートル、総面積約28.2ヘクタールに及ぶ広大な区域が段階的に整備されてきました。
整備は長期間にわたり行われ、1989年（平成元年）には春日井市と小牧市の一部区間（約2.5キロメートル）が先行して完成。1992年（平成4年）には約8キロメートル、約15.5ヘクタールの区間が完成し、同年7月6日には中間地点である小牧市に整備された緑道の拠点施設「フレッシュパーク」が供用を開始しました。その後も整備は継続され、2019年（令和元年）には犬山市内の約2キロメートルの区間が、2021年（令和3年）には春日井市内の区間（鷹来中学校西側）や小牧市久保本町の未舗装区間の緑道化が実現しています。現在（2025年時点）も、一部区間では導水管工事に関連する整備が続けられています。
尾張広域緑道は、その長い経路を活用し、多様な目的に利用されています。日々の通勤や通学に利用される生活道路としての側面のほか、週末には散策やサイクリング、ウォーキング、ランニングといった健康づくりや体力維持を目的としたレクリエーションの場として、多くの人々に親しまれています。また、都市部における貴重な緑地空間として、災害発生時には緊急避難路としての機能も期待されています。
緑地帯は、クスノキ、トウカエデ、クロガネモチ、ヤマモモなどの高木類、アジサイ、サツキ、クチナシといった低木類を中心に植栽されており、四季折々の自然景観を楽しむことができます。休憩施設としてフジ棚や広々とした芝生エリアが整備されているほか、子ども向けのフィールドアスレチック風遊具や、休憩用の四阿（あずまや）なども設置され、訪れる人々の憩いの空間となっています。
なお、この緑道は法的にいわゆる「大規模自転車道」には該当せず、愛知県では「公園」として位置づけています。緑道を管理・巡回するための車両（軽自動車等）を除き、自動車の乗り入れは原則として禁止されており、歩行者と自転車のみが通行できます。過去には春日井市上田楽町の歩道橋「うるおい橋」付近で通り抜けが可能な区間がありましたが、歩道橋の設置工事に伴い、現在は通行できなくなっている箇所も存在します。
緑道内にはいくつかの特徴的な施設があります。小牧市本庄に位置する「フレッシュパーク」は、約2.4ヘクタールの敷地を持つ緑道の拠点施設です。多目的広場、ディスクゴルフコース、ジョギングコースといった無料で利用できるエリアに加え、トレーニング施設や全天候型多目的運動場、展望台などが整備されています。扶桑町高雄にある「ジャンピング噴水」は、水が飛び跳ねる様子が楽しめる噴水で、夏場に稼働し、都市公園等コンクールで建設次官賞を受賞した実績があります。また、犬山市上坂町には、足裏マッサージ効果が期待できる「ふみふみロード」が設けられています。
過去には安全に関わる事故も発生しています。2019年（平成31年）4月3日には、扶桑町高雄に設置されていた休憩用の四阿が倒壊し、ベンチに座っていた70代の女性が右足首などを骨折するという被害が発生しました。この四阿は1993年に設置されたもので、倒壊の原因は屋根とベンチを支えていた鉄製の柱の根元部分の腐食が原因と推測されています。事故の直前に行われた管理者の集中点検では異常は発見されなかったとされています。この事故を受け、2020年（令和2年）7月6日には、緑道の管理事務所の職員3名（所長、主査、嘱託員）が業務上過失傷害の疑いで名古屋地方検察庁一宮支部に書類送検されましたが、同月30日には不起訴処分となっています。
緑道全体へのアクセスは多岐にわたりますが、拠点施設であるフレッシュパークへのアクセスとしては、東名高速道路や名神高速道路の小牧ICから車で約15分、名古屋高速11号小牧線の小牧北出入口からも車で約15分程度です。緑道の沿線周辺には、犬山城や有楽苑、五条川の桜並木、青塚古墳、田縣神社、春日井市総合体育館など、地域を代表する様々な施設や観光スポットが点在しており、緑道を利用してこれらの場所を訪れることも可能です。名鉄が主催する「電車沿線ハイキング」や、JR東海が主催する「さわやかウォーキング」といったウォーキングイベントのコースの一部として利用されることもあります。
尾張広域緑道は、その歴史的な背景、広大な規模、そして多岐にわたる機能を通じて、地域住民の日常生活、健康増進、レクリエーション、そして有事の際の安全確保に寄与する、尾張地方の貴重な緑の空間として重要な役割を担っています。
この緑道は、1987年（昭和62年）に開始された「昭和天皇在位60年記念事業」の一環として整備が進められました。その特徴は、名古屋市の上水道導水管が敷設されている土地を効果的に利用している点にあります。愛知県北部の庄内川河畔（春日井市松河戸町）から、木曽川河畔（犬山市）まで、総延長約19.5キロメートル、総面積約28.2ヘクタールに及ぶ広大な区域が段階的に整備されてきました。
整備は長期間にわたり行われ、1989年（平成元年）には春日井市と小牧市の一部区間（約2.5キロメートル）が先行して完成。1992年（平成4年）には約8キロメートル、約15.5ヘクタールの区間が完成し、同年7月6日には中間地点である小牧市に整備された緑道の拠点施設「フレッシュパーク」が供用を開始しました。その後も整備は継続され、2019年（令和元年）には犬山市内の約2キロメートルの区間が、2021年（令和3年）には春日井市内の区間（鷹来中学校西側）や小牧市久保本町の未舗装区間の緑道化が実現しています。現在（2025年時点）も、一部区間では導水管工事に関連する整備が続けられています。
尾張広域緑道は、その長い経路を活用し、多様な目的に利用されています。日々の通勤や通学に利用される生活道路としての側面のほか、週末には散策やサイクリング、ウォーキング、ランニングといった健康づくりや体力維持を目的としたレクリエーションの場として、多くの人々に親しまれています。また、都市部における貴重な緑地空間として、災害発生時には緊急避難路としての機能も期待されています。
緑地帯は、クスノキ、トウカエデ、クロガネモチ、ヤマモモなどの高木類、アジサイ、サツキ、クチナシといった低木類を中心に植栽されており、四季折々の自然景観を楽しむことができます。休憩施設としてフジ棚や広々とした芝生エリアが整備されているほか、子ども向けのフィールドアスレチック風遊具や、休憩用の四阿（あずまや）なども設置され、訪れる人々の憩いの空間となっています。
なお、この緑道は法的にいわゆる「大規模自転車道」には該当せず、愛知県では「公園」として位置づけています。緑道を管理・巡回するための車両（軽自動車等）を除き、自動車の乗り入れは原則として禁止されており、歩行者と自転車のみが通行できます。過去には春日井市上田楽町の歩道橋「うるおい橋」付近で通り抜けが可能な区間がありましたが、歩道橋の設置工事に伴い、現在は通行できなくなっている箇所も存在します。
緑道内にはいくつかの特徴的な施設があります。小牧市本庄に位置する「フレッシュパーク」は、約2.4ヘクタールの敷地を持つ緑道の拠点施設です。多目的広場、ディスクゴルフコース、ジョギングコースといった無料で利用できるエリアに加え、トレーニング施設や全天候型多目的運動場、展望台などが整備されています。扶桑町高雄にある「ジャンピング噴水」は、水が飛び跳ねる様子が楽しめる噴水で、夏場に稼働し、都市公園等コンクールで建設次官賞を受賞した実績があります。また、犬山市上坂町には、足裏マッサージ効果が期待できる「ふみふみロード」が設けられています。
過去には安全に関わる事故も発生しています。2019年（平成31年）4月3日には、扶桑町高雄に設置されていた休憩用の四阿が倒壊し、ベンチに座っていた70代の女性が右足首などを骨折するという被害が発生しました。この四阿は1993年に設置されたもので、倒壊の原因は屋根とベンチを支えていた鉄製の柱の根元部分の腐食が原因と推測されています。事故の直前に行われた管理者の集中点検では異常は発見されなかったとされています。この事故を受け、2020年（令和2年）7月6日には、緑道の管理事務所の職員3名（所長、主査、嘱託員）が業務上過失傷害の疑いで名古屋地方検察庁一宮支部に書類送検されましたが、同月30日には不起訴処分となっています。
緑道全体へのアクセスは多岐にわたりますが、拠点施設であるフレッシュパークへのアクセスとしては、東名高速道路や名神高速道路の小牧ICから車で約15分、名古屋高速11号小牧線の小牧北出入口からも車で約15分程度です。緑道の沿線周辺には、犬山城や有楽苑、五条川の桜並木、青塚古墳、田縣神社、春日井市総合体育館など、地域を代表する様々な施設や観光スポットが点在しており、緑道を利用してこれらの場所を訪れることも可能です。名鉄が主催する「電車沿線ハイキング」や、JR東海が主催する「さわやかウォーキング」といったウォーキングイベントのコースの一部として利用されることもあります。
尾張広域緑道は、その歴史的な背景、広大な規模、そして多岐にわたる機能を通じて、地域住民の日常生活、健康増進、レクリエーション、そして有事の際の安全確保に寄与する、尾張地方の貴重な緑の空間として重要な役割を担っています。
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